出典:IMDb/(C)2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved
SATOR AREPO TENET OPERA ROTASは、「TENET テネット」の重要なキーワードであり、ラテン語の回文でもあります。
最も一般的な翻訳は
SATOR(農夫) AREPO(アレポ) TENET(持つ) OPERA(仕事) ROTAS(回転、鋤)
「農夫のアレポは鋤で仕事をする」
があります。
※この記事は映画「TENET テネット」のネタバレを含みます。
SATORスクエアとテネットの回文構造との関係
Sator square/Creative Commons
縦にも横にも同じ読み方になる文をワード・スクエアと言います。
正方形の格子上に並ぶSATOR AREPO TENET OPERA ROTASは、SATORスクエアと呼ばれています。
クリストファー・ノーラン監督は、SATORスクエアと「TENET」との関係を明言していませんが、ここまで偶然に一致することはないはずです。
それぞれの単語と映画とのつながりを考察していきます。
SATOR:セイター
出典:IMDb/(C)2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved
SATORには、種をまく人、創設者などの意味があります。
「TENET」では世界の時間を逆行させる任務を、未来人から委託されたロシア人アンドレイ・セイターとして登場します。
主人公たちの時間軸で最初に時間の逆行技術を使用した人物として、セイターという名前をノーランはつけたのではないでしょうか。
AREPO:アレポ
AREPOは、古代の文中に一度しか出現しておらず、正確な意味は解明されていません。
SATORスクエアの研究において何かしらの固有名詞という位置付けがされています。
「TENET」ではゴヤの贋作を作成した絵師トマス・アレポとして登場します。
劇中には名前のみでその姿は確認できません。
TENET:テネット
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TENETには、保持する、維持するなどの意味があります。
「TENET」では時間の逆行を可能とする技術やセイター側を阻止する組織、合言葉として登場します。
概念であり技術であり、ストーリーの中心となるキーワードです。
SATORスクエアのなかで唯一TENETだけが単体で回文となっています。
OPERA:オペラハウス
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OPERAには、仕事、労働などの意味があります。
「TENET」では冒頭オペラハウスのシーンとして登場します。
映画全体としてみると、最初であり最後のシーンでもあります。
SATORスクエアはクラシック音楽に影響を与えており、劇中音楽にもこだわりをみせるノーランにはぴったりなキーワードです。
ルドウィグ・ゴランソンは何度も「TENET」を視聴し、全く新しい手法で楽曲を制作しています。
ROTAS:回転ドア
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ROTASには、車輪、回転などの意味があります。
「TENET」では回転ドアが置いてあるフリーポートを所有する会社ロータス社として登場します。
ノーランが時間逆行装置として回転ドアを選んだことも、ROTASからインスピレーションを得ているのかもしれません。
回転ドアは、タリンでのカーチェイスやスタルスク12での最終決戦にて重要な役割をもっています。
まとめ:逆行弾と回文
「TENET」は「ただ弾丸が壁から銃身に吸い込まれるという概念から始まった」と、ノーランは言っています。
そのアイデアから映画の中の出来事がすべて回文でつながる時間の逆行の発想まで膨らませたところにノーランのすごさを感じます。
Tenet ペーパーバック – 2020/9/8
英語版 Christopher Nolan (著)