「TENET テネット」のタイトルが意味するのは、中心です

タイトル「TENET」

Image: Youtube/(C)2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved

タイトルのTENETは、主人公の名もなき男が参加した組織のことでした。世界の時間を逆行させようとしているセイターに対抗する組織です。それ以外にも映画の中で色んなことの中心になっていることにお気づきでしょうか。

ストーリーがTENETを中心に動いていること。日本語に直訳すると tenet は「主義、教義」。スタルスク12での最終決戦が実行された時間は10分間。ワード・スクエア、SATORスクエアとの関係。TENETはすべての中心を意味することがみえてきます。

※この記事は「TENET テネット」のネタバレを含みます。

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テネットのタイトルの意味は3つある

「TENET」のタイトルは、組織の名前としての意味だけではなく、他に3つの意味が含まれています。

それは、

  • 組織を形作る主義
  • ストーリーの中心
  • 壮大な挟み撃ちの中間点

の3つの意味です。

それでは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

組織を形作る主義

バーバラにTENETの主義か?と返す名もなき男

Image: Youtube/(C)2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved

研究者バーバラにスパイと疑われたときに主人公の名もなき男は「TENET」と言い返します。日本語字幕では「主義」と訳されています。主義は人や組織が、行動の指針とする思想や原則のことを意味します。人や組織を形作る中心といえます。

ストーリーの中心

TENETは上から読んでも下から読んでもテネット、回文になっています。しかもSATORスクエアというラテン語による有名なワード・スクエアの一部でもあります。ワード・スクエアとは正方形の格子上に、同じ単語が縦にも横にも読めるように文字が並んだものです。

SATORスクエア

Sator square/Creative Commons

SATORスクエアは「SATOR(セイター) AREPO(トマス・アレポ) TENET(テネット) OPERA(オペラハウス) ROTAS(ロータス社、回転ドア)」から作られています。「TENET」に登場する人物や組織の名前など何かしらと掛かっていると、ファンの間でも有名です。そしてTENETはこのSATORスクエアの中心に位置しています。

壮大な挟み撃ちの中間点

スタルスク12

Image: Youtube/(C)2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved

極めつけは最終決戦との関わりです。スタルスク12での時間挟撃作戦による最終決戦の時間は10分間、Ten minutes でした。そしてニールは名もなき男に、この壮大な挟み撃ち作戦は名もなき男が考えたものであり、次のように話します。

You’re only halfway there. I’ll see you at the beginning, friend.

君はその中間点にいる。出発点で会おう。

Robert Pattinson: Neil Quotes/IMDb より引用

時間を逆行できる「TENET」の世界では、最終決戦は「壮大な挟み撃ち作戦」の中間点を意味しています。セイターの計画を阻止し、アルゴリズムが起動しない中間点を作ることがTENETのゴールだったとも考えられます。まだ名もなき男にはニールと出会い、プリヤに指示を出す、という仕事が残っていますが。

まとめ

タイトルの「TENET テネット」が意味する3つのことを考察してみました。TENETは、組織の主義、SATORスクエアの中心、アルゴリズム起動を阻止するストーリーの中間点など、映画「TENET」の中心を表しています。

ただの掛け言葉にも思えますが、監督のノーランは解明されていない古代のSATORスクエアとからめることで、むしろ神秘すら感じさせるところがさすがだと思います。

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