アカデミー賞をW受賞した「TENET テネット」の圧倒的な映画体験

「TENET テネット」は2021年の第93回アカデミー賞にて、視覚効果賞を受賞しています。

そしてなんと英国アカデミー賞でも視覚効果で受賞しています。

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視覚効果でアカデミー賞をW受賞

「TENET テネット」IMAX撮影
「TENET テネット」でのIMAX撮影はこれまでで最長

Image: ワーナー ブラザース 公式チャンネル/YouTube

「TENET テネット」は、2021年の第93回アカデミー賞にて、視覚効果賞を受賞しています。過去には「1917」や「ファースト・マン」が受賞しています。

またアカデミー賞のみならず、イギリスのアカデミー賞、BAFTAでも特殊視覚効果賞を受賞しています。

アンドリュー・ジャクソン

視覚効果製作はもちろん一人ではできないので、チームでの受賞ですが、代表的な一人がアンドリュー・ジャクソンさんです。アンドリューさんがどんな人かというと、けっこうすごい人です。

ノーラン監督作には、過去「ダンケルク」(2017年製作)で参加していて、このときもBAFTAで特殊視覚効果賞にノミネートされていました。

アカデミー賞では「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(2015年製作)にて、視覚効果賞でノミネートされており、「TENET」で2度目のノミネートとなり、初受賞です。

IMAXカメラの改造

「TENET テネット」撮影監督ホイテ・ヴァン・ホイテマ
「TENET テネット」撮影監督ホイテ・ヴァン・ホイテマ

Image: ワーナー ブラザース 公式チャンネル/YouTube

「TENET」における視覚効果で、一番のインパクトは、やはり”時間の逆行”です。逆行する弾丸、逆行する人物、どうやって撮影したのか、その全貌は分かりません。

しかし一つ驚きなのは、IMAX社協力のもと「TENET」のために、IMAXカメラの改造が行われたことです。かねてより積極的にIMAXカメラによる撮影を行ってきたクリストファー・ノーラン監督。

それは「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」のキャリー・ジョージ・フクナガ監督に、全編IMAXカメラで撮影したいという野望を断念させたほどです。なぜなら世界に6台しかないIMAXカメラを、ノーラン監督が「TENET」の撮影のためにすべて使用していたからです。そして本作ではなんと「TENET」のために改造まで行っています。

ノーラン監督や撮影監督のホイテマは、普通に撮影した映像を逆再生にしただけでは意図した映像は撮れないと考えたようで。IMAXカメラのフィルムへの録画自体を逆に撮影できるようにしたそうです。詳しくはわかりませんが、撮影シーンをフィルムの最後から録画していき、再生するときには自動的に逆再生になるということでしょうか。

ここまでくると、もはやIMAXはノーラン監督のために造られたといっても過言ではないですね。

圧倒的な映画体験

クリストファー・ノーラン監督はいつも、観客に映画体験をしてもらいたいと言っています。「TENET テネット」での視覚効果によって賞を受賞することは、その思いが観客にも伝わっていると感じます。