Image: Warner Bros. Pictures/YouTube/(C)2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
毎年新たな映画が1000本と公開されるなかで、確実にわくわくさせてくれるものにはそうそう出会えません。実際に観たらすごく面白かった、というのはもちろんあります。
ここ最近だと2年に1回、確実にわくわくさせてくれていた「スター・ウォーズ」も2019年に一度幕を閉じました。
そこにSFの原点ともいえる作品「DUNE/デューン 砂の惑星」が<未来型シネマ・エクスペリエンス>というキャッチコピーとともに、2021年10月15日に公開されました。しかも今後パート2、パート3と、3部作で製作されるらしいですよ。
そんな久しぶりに壮大な宇宙の冒険譚に連れていってくれるであろう「DUNE」の序盤も序盤、パート1である本作を通常スクリーン、IMAXレーザースクリーン(フルサイズではない)で観たので感想を書いていきます。
未来型シネマ・エクスペリエンス
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まず未来型シネマ・エクスペリエンスってなんだろう、と思って調べたけれど、公式には特に説明を探せませんでした。どこかにあったらごめんなさい。
おそらくは「Filmed in IMAX」に認定された最初の作品であることから、そんなキャッチコピーがつけられているのだと思います。
世界初の Filmed in IMAX 作品
Filmed in IMAX というのは、IMAXカメラで撮影はしていないけれど、IMAX社が認めた機材で撮影されていて、IMAXシアターで上映するフォーマットに十分合っていると、IMAX社が認めた作品ということです。
これまでは世界に6台しかないIMAXカメラで撮影したものしかIMAXシアターで上映する規格に適合していなかったはずなので、今後さらにIMAX作品が広がっていく気がします。
新しい映像と音楽
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Filmed in IMAX によって何が描かれているのかというと、新しいコスチュームや新しい音楽です。特注衣装のその数はなんと、200着以上だそう。
原作であるフランク・ハーバートが書いたSF小説「Dune」(1965年)は、これまでもいくつか映像化がされてきましたが、そのどれもが完璧とはいえず、映像化不可能と言われてきました。その難しいところを超えることで、逆に強みにしてしまったのが本作です。
「DUNE」には衣装や音楽など、新しい映像がたくさん出てきます。その映像を通常スクリーンとIMAXシアターで見比べたところ、やはりIMAXスクリーンでの迫力はまったく違います。というよりも通常スクリーンでも十分な迫力のある映像が、IMAXによって映像、音ともに底上げされている印象です。
ドゥニ・ビルヌーブ監督はCGで作成した背景を俳優に合わせるのではなく、実際にスタジオの中などにセットを作ってしまって撮影するようなリアリティを求める監督です。また本作をこれまでの映画とはまったく違う映画体験にしたいという思いのもと、音楽を担当したハンス・ジマーは「DUNE」のために楽器を作るところから始めています。
原作がSF小説の古典なら、本作は今後、SF映画の古典になるかもしれません。
でもどこかでみたことある
「DUNE」を観ると、ストーリーとしてはどこかでみたことあると感じるかもしれません。それもそのはずです。原作である「デューン砂の惑星」(1965年)は多くのSF作品に影響を与えているからです。「スター・ウォーズ」の監督、ジョージ・ルーカスも影響を受けているそうです。
なのでストーリーとしては「DUNE」が原点であり、映像としてはいまできる最先端のもので製作された作品となります。
序盤も序盤なストーリー
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3部作の予定のなか、1作目でどこまで描かれているかというと、かなり序盤で終わる印象です。普通の映画だと開始30分から1時間程度しかストーリーとしては描かれていないのではないかと思います。
しかし「DUNE」のすごいところは、ストーリーとしては序盤しか描かれていなくても2時間35分の間、観ていて飽きるところが一切ないことです。これが未来型シネマ・エクスペリエンスといわれる技術のなせる業かもしれません。
話としては、とにかくどんどん広がっていき、2作目、3作目につながるであろう話が少しずつ散りばめられていく感じです。これといったクライマックスはまだ出てきません。だから正直、ドはまりするというよりは、何だか話がどんどん壮大になっていって、この先どうなっていくんだろうとわくわくする気持ちの方が大きいです。
それを監督が2時間35分飽きることのない、未来型シネマ・エクスペリエンスといわれる圧倒的な映像で描いてくれています。
スター・ウォーズ以来のわくわく
なので1作目を観た感想としては「はやく次の2作目がみたい!」という気持ちで、「スター・ウォーズ」以来の連続作品でのわくわくを覚えた作品です。
1作目だけで終わってしまったら、ホントにとりとめもない話で終わってしまうところですが、無事に2作目の公開も発表されて安心と待ちきれない気持ちが混在しています。