フランク・ハーバートにとって「DUNE/デューン 砂の惑星」の意味

「DUNE/デューン 砂の惑星」アラキスの砂漠
Image:Warner Bros. Pictures/YouTube

《デューン》シリーズでは人類のサバイバルと進化、生態学、宗教と政治と権力の交差を描き、サイエンス・フィクションとしてだけでなく文学としても古典的名作と言われている。

フランク・ハーバート – Wikipediaより引用

地球上での人類史を凝縮したようなストーリー。その舞台をフランク・ハーバートはなぜ砂丘にしたのか。その意味を解説していきます。

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なぜ砂の惑星を舞台にしたのか

英語タイトル「DUNE」は日本語で砂丘という意味です。日本には鳥取砂丘があります。壮大な景色ではありますが、生物が生きるには過酷な環境です。劇中では砂の惑星にある独自の強みが描かれていました。実際の砂丘でもその土地の特性を活かした農作物を育てるなど、実はメリットもあります。

小説家を目指すもライターとして経験を積む

子供の頃から作家を夢見て

フランク・ハーバート – Wikipediaより引用

幼いころから作家を目指し、数々のメディアをライターとして渡り歩いたフランク・ハーバート。そんな彼の初の長編小説が1955年に連載が始まった「21世紀潜水艦」です。その4年後、のちにSF小説の金字塔となる「デューン」の執筆を開始します。

フランク・ハーバート、砂丘と出会う

1953年、ハーバートは農務省のこのプロジェクトについて調べ、記事を書くために、砂丘の北端に近いオレゴン州フローレンスの町を訪れた。「彼らは動く砂を止めた(They Stopped the Moving Sands)」というタイトルの記事は出版されなかったが、この経験はハーバートに大きな影響を与えた。

SF大作『デューン 砂の惑星』聖地の砂丘が危機に、米オレゴン州 | ナショナル ジオグラフィック日本版サイトより引用

もともとは雑誌記事のテーマとして砂丘について調査を開始し、その資料は膨大なものとなります。フランク・ハーバートが「Dune」を執筆するきっかけであり発表されることのなかった「彼らは動く砂を止めた」は、関連作品「The Road to Dune」に掲載されています。

砂丘に込めた意味

砂丘は波のように風によって常にその形を変化させ美しい景色を作ります。と共に周りの土地や家屋を埋めつくすように移動する害あるものでした。米農務省が1930年からとりかかったのがビーチグラスなどによる砂丘の固定です。

フランク・ハーバートはこのプロジェクトを調べ、砂丘について調べ、砂丘に魅了されました。フランク・ハーバートにとって砂丘は、宇宙の物語を感じさせるほど壮大なものだったのかもしれません。