「TENET テネット」ニールの正体は最後の行動時間軸を整理するとみえてくる

フリーポートへの侵入方法を説明するニール

Image: Youtube/Warner Bros. Pictures/(C)2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved

ニールの最後の行動時間軸を整理してみましょう。

最後の最後までニールの正体ははっきりとは明かされませんでした。クリストファー・ノーラン監督は、ニールがどんな時間軸をたどっていたのか断片的につながる描き方をしています。ただしノーラン自身が「ニールが誰かなんてだれもわからないだろうね;-)」と公言しているので、そのことを前提に推測する必要があります。

それではニールが誰なのか考察していきます。

※この記事は映画「TENET テネット」のネタバレを含みます。

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スタルスク12でのニールの行動時間軸

スタルスク12

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最後の決戦でニールの行動が少しわかりにくいのは、主人公の視点からすると未来のニールが見えている瞬間があるからです。

観客は主人公の視点で映画を観ているので混乱してしまいます。

青チームとして逆行する

ニールは青チームとして、決戦10分後から逆行しています。リーダーのホイーラーと一緒に情報収集して赤チームの順行組に情報を伝える役割です。カーチェイスのシーンでも出てきた時間挟撃作戦です。

ただセイター側ももちろん逆行、順行入り乱れてくるので、TENET最大の見どころシーンとなっています。

主人公を助けるために順行に戻る

逆行して情報収集中に、主人公が突入した洞窟の入り口をセイターの手下ボルコフが爆発によって塞ぐ姿を目撃します。

主人公のピンチを知ったニールは、逆行から主人公と同じ順行に切り替えます。

謎の男に救われた名もなき男

出典:Youtube/(C)2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved

主人公がアルゴリズムを回収した後に、洞窟の天井からロープをつかんで脱出できたのはニールのおかげでした。

スパイ映画におけるすべてがギリギリでうまくいって、観ていて一番爽快なシーンです。ただそれだけで終わらないのがノーランです。

死を覚悟した別れのセリフと赤い紐のストラップ

アイブスと主人公の「よく鍵を開けた」「俺じゃない」という会話を聞いたニールは、鍵を開ける役割が自分であることを察します。

そしてニールと名もなき男との

ニール:“For me, I think this is the end of a beautiful friendship.”
「これは素晴らしい友情の終わりだ」

名もなき男:“But for me, it’s just the beginning.”
「俺には始まりだ」

出典:劇中セリフ/IMDbより引用

という少し感傷的なシーンに続きます。

このセリフは名画「カサブランカ」(1942年)のセリフ

Louis, I think this is the beginning of a beautiful friendship.
「これは美しい友情の始まりだ」

からの引用だとノーランもインタビューで答えています。

「TENET」クリストファー・ノーラン監督インタビュー

「TENET」クリストファー・ノーラン監督インタビュー

出典:『TENET テネット』クリストファー・ノーラン監督インタビュー/Youtube

爆発により舞う破片などが桜吹雪のようで、映像を印象的なものにしています。

主人公の名もなき男はニールのリュックに、赤い紐のストラップがついていることに気が付きます。そのまま行けば洞窟の鍵のかかった扉の向こうで死亡するはずのニールに「この結果しかなかったのか」と問いかけます。

鍵を開ける過去を作りにいく

洞窟の鍵の解錠をするためにニールは逆行しに行きます。主人公とアイブスがアルゴリズムを回収できるようにするためです。しかしニールは主人公をかばってボルコフの銃弾を受け死ぬ運命にあります。

「TENET テネット」ジョン・デヴィッド・ワシントンのこれから

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名もなき男から「運命か」と問いかけられ、ニールは「そう呼びたいなら」と答えています。これはTENETの時間の逆行の仕組みが最大に盛り込まれたシーンです。カーチェイスのシーンで、セイターがなぜか先回りしてアルゴリズムを奪っていったのと同じです。

すでに起きた過去ではありますが、その過去が実際に起きるためには、実際に行動しなければいけません。ニールが扉の鍵を開けたのは過去の出来事ですが、それをまだしていないニールは実際に過去に逆行してその事実を作らなければいけないということです。

ニールの正体と主人公との関係

ニールの正体は、フリーランスの諜報員が一番有望です。キャットの息子マックスなのではないかという説もありますが、ノーランは次のように答えています。

“slightly rascally character who operates within what they refer to as this twilight world of operatives in different secret services.”

「様々な諜報機関に所属する諜報員の黄昏の世界と呼ばれる場所で活動する、少しやんちゃなキャラクター」

EWより引用

インタビューによると、恐らくニールはニールという名前ですらないかもしれません。ノーランはニール=マックス説を否定も肯定もしていませんが、ニールが魅力的なキャラクターであることは変わりません。