『メッセージ』は壮大なSFでありながら、個人の人生に焦点をあてたドラマでもある。
やはりなんといってもストーリーに凄さを感じる映画です。
今回は、『メッセージ』の感想です。
やっぱり一番衝撃を受けたのはストーリー
観る人の時間感覚を奪う構成
『メッセージ』の主人公は言語学者ルイーズ・バンクス。
ストーリーはルイーズと宇宙人との交流を描きながら、ときおりルイーズの家族に関する記憶がフラッシュバックしながら進んでいく。
この構成が見事。
物語の内容が徐々にわかっていくにつれて映画の時間軸がどのように進んでいるのか混乱してしまう。
最後に全てがつながったときに心に「ジーン、、、」としたものが伝わってくる。
冒頭からエンディングまですべてが円になっていて、終わりと始まりが曖昧な感覚にさせられます。
繰り返しみる面白さのあるストーリー
『メッセージ』は最後の最後にどんでん返し!というような映画ではない。
一つ一つのポイントとも言えるストーリーの要素が徐々につながっていく。
要素がつながっていき、主人公ルイーズと同じ理解に到達したときに大きな衝撃を受ける。
1度見たときには『メッセージ』の世界を理解する面白さ。
2度目を観るときは「そうか、、、そういうことか」と納得しながら観ていく面白さがある。
何度も見返す面白さを残してくれる映画となっています。
映像として表現する監督
『メッセージ』のテーマは「時」。
かなり抽象的なテーマをここまで目で見てわかる映画に仕上げたドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のすごさ。
まとめ:観たあとに思うこと
『メッセージ』は人生に対する考え方を見直すほどの問いをなげて終わります。
デジャヴは本当にデジャヴなのか
例えば、デジャヴと呼ばれる現象がありますが、それは本当にデジャヴなのか、と。
前もって決められた未来がいまこの瞬間に訪れただけなのではないか、『メッセージ』を観たあとはそんなことを思いました。
SFでありながらなぜここまで心が動かされるのか
『メッセージ』は最初から最後までルイーズの目線で語られる。
宇宙人が現れた、さあ地球が大変だ、ということも描かれます。
しかし徹底してその中で、ルイーズという一個人の人生に焦点をあてることでストーリーに共感と深みを感じます。