カジュアルなスパイ映画である「キングスマン」を引き締めているのが、ハリーやエグジーが身に付けているスーツです。
徹底された「キングスマン」のスーツ
ハリーやエグジーが着ているスーツが、どこのブランドのものか気になりますが、それらは既製品ではありません。衣装デザイナーのアリアン・フィリップスとイギリスの各メーカーによるオーダーメイドです。
スーツ屋ブランドの既製品ではない
「キングスマン」劇中でキャストが着ているスーツは、特定のスーツ店のブランドによる既製品ではありません。ただしMR PORTER(ミスターポーター)にて、一般向けに独占販売されています。
ハリーのスーツ
ハリーモデルのスーツの値段は、およそ20万円ほどで販売されています。
エグジーのスーツ
「ゴールデン・サークル」でエグジーが着ていた特徴的なオレンジのジャケットも13万円にて販売されています。
MR PORTERは、「キングスマン」「キングスマン:ゴールデン・サークル」、そして最新作「ファースト・エージェント」まで扱っています。
テーラーとしてのモデルはハンツマン
独立スパイ組織であるキングスマンの表の顔は高級テーラーです。そのテーラーとしてのモデルとなっているのが、ハンツマンです。ハンツマンは創立170年を超える老舗で、イギリスの名門高級紳士服店が集まる、サヴィル・ロウの11番地にあります。
生地から縫製までオーダースーツ
Image: KADOKAWA映画/YouTube
映画『キングスマン』ファッション解説動画では、生地から縫製まですべてを英国100%にこだわったと、衣装を担当したデザイナーのアリアン・フィリップスが語っています。誰のものかわかるように貼られている紙には、アーサーを演じたマイケル・ケインの名前が書かれています。
スーツはロンドンの仕立て屋Martin Nicholls、シャツは英国シャツメーカーTURNBULL & ASSER などの名前がみてとれます。時計の文字盤にはキングスマンのマークがあり、メーカーは可能な限りイギリスでの製造を行っているブレモントです。
MR PORTERによると、スーツに使われている生地はウールのようで、エグジーのオレンジのジャケットは、ベルベット生地のようです。
スーツの着こなし
ダブルブレストのスーツを着たハリーやエグジーは、どこか堅苦しさもあります。そしてキングスマンのエージェントは、ダブルのスーツを着て、おそろいのネクタイ、時計という着こなしです。本来であればダブルのスーツは、いまとなっては古臭さを感じる着こなしのようです。
しかしデザイナーのアリアン・フィリップスは、伝統的な英国らしさを詰め込みながら現代風のデザインへと落とし込んだと語っています。
ダブルスーツの起源は軍服
ダブルのスーツは、外の状況によって着幅を変えることができるように作られた軍服由来のものだそうです。そして時計はブレモントによるパイロットウォッチです。これもまた軍用、とくにパイロットのために設計された時計です。
スーツケース型ガジェット
「キングスマン:ゴールデン・サークル」で登場した、マシンガンにもなり盾にもなり、ロケットランチャーも撃てるスーツケースは、どこのメーカーかはわかりません。しかしスーツにスーツケースの装備はぴったりです。
これらのことからキングスマンの着こなしは、ただの貴族的な外見だけの紳士ではなく、動ける実のともなったものだとわかります。
英国100パーセントの衣装
「キングスマン」は1作目から、英国らしさを全開にした衣装です。カジュアルなスパイ映画のなかに英国紳士としてのスマートさと厳格さを感じるのは、徹底した英国100パーセントの衣装のおかげです。