出典:IMDb/(C)2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film
「ターミネーター:ニュー・フェイト」(ティム・ミラー監督、劇場公開2019年11月8日(金))は、シリーズ6作目にして「ターミネーター2(T2)」の正統な続編と言われています。
ターミネーターの生みの親であるジェームズ・キャメロンが製作として復帰し、アーノルド・シュワルツェネッガー、リンダ・ハミルトンが再集結したからです。
「ターミネーター3、4、5(新起動/ジェニシス)」もそれなりに楽しめました。
ジョン・コナーやスカイネットの話を、どこかうやむやにされたように感じていたターミネーターファンも多いはず。
本作はT2の続編として完璧な答えといえる作品です。
そもそもT2後の世界はどうなったのか
本作はスカイネットが勝利し、人類は滅ぼされ土地は荒廃してしまった未来の映像から始まります。
映像は切り替わり、サラと幼いジョン・コナーの「T2」までの活躍により、そんな未来を防ぎ80億の人間を救い平和に暮らすシーンに展開します。
「T2」ではジョンがスカイネットの元となるチップを、溶鉱炉の中へと投げ入れて一件落着というエンディングでした。
その「T2」のエンディングから自然とつながるシーン構成になっています。
サラやジョンの若い頃の姿がCGで蘇り、短いながらT2からのつながりを非常に意識した作りになっています。
出典:IMDb/(C)2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film
T2を思わせながらも映像はパワーアップしている
そこから始まる本編には、ターミネーターらしさをさらに感じせてくれるシーンがたくさん散りばめられています。
未来からターミネーターが送り込まれてくるお馴染みのシーン。
これまで通り煙とプラズマを帯びた空間が生じ、そこに突如として現れるターミネーター。
周囲の空間が凍てつくという演出も今回は加わり、より進化した登場シーンになっています。
出典:IMDb/(C)2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film
また2体同時に送り込まれてくるターミネーターは、どちらが味方でどちらが敵かわからない。はたまたどちらも敵なのか。というハラハラもそのままです。
そしてターミネーターといえばの爽快なアクションもしっかりとあります。
敵ターミネーターは流体で万能感、機能では無敵感があるのは相変わらずです。
味方のターミネーターは、あらゆることから守ってくれる謎の安心感もあります。
こちらが期待する通りにドンピシャでアクションを繰り広げてくれるのでどんどんテンションが上がっていきます。
ダンプに乗った敵に追われ、バイクで逃げるエドワード・ファーロングを彷彿とさせるシーン。
というターミネーターならではのドキドキさせられる展開もしっかりとあります。
リバイバルにとどまらず物語を一歩先へと進めてくれている
本作の1つ目の盛り上がりとしてサラ・コナーの登場シーンがあります。
登場から色々と派手にやってくれて、サラがあの台詞も言ってくれます。
「I’ll be back.」
2つ目の盛り上がりは、やはりシュワちゃんの登場です。
シリーズを通してT-800という、もともとスカイネットの指令で動いていたターミネーターを演じてきています。
そんなシュワちゃんの名言が「T2」での「アイルビーバック」でした。
今回の「ターミネーター:ニュー・フェイト」では、それとは真逆のセリフを言うという哀愁すら感じさせる脚本となっています。
出典:IMDb/(C)2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film
そんなシュワちゃん演じるT-800含め、未来に対する「選択」が重要な要素として描かれています。
「T2」からのジョン・コナーやスカイネットの話も上手く絡めながら物語をしっかりと一歩先に進めてくれています。
ただの「T2」のオマージュではなく、ちゃんとした新しい続編になっています。
もう一度「ターミネーター2」が観たくなる作品です。
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