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「TENET テネット」のラストシーンは、主人公の名もなき男の「任務完了」というセリフでした。
この「任務完了」はアルゴリズムについて知る人間を抹殺=アルゴリズムに関する情報を消去したという意味があります。
※この記事には「TENET テネット」のネタバレを含みます。
テネットのラストの意味を理解する重要な3つのシーン
「TENET」のラストには、ニールのナレーション、キャットが伝言を残すシーン、プリヤが名もなき男に殺されるシーンの重要な3つのシーンがあります。それぞれのシーンにどういう意味があったのか考察します。
ニールのナレーション
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「TENET」のラストシーンは、ニールのナレーションから始まります。次にある通り、
no one cares about the bomb that didn’t go off.
映画字幕 より引用
爆弾が破滅を引き起こさなければ誰も気にしない。
ナレーションはすべての任務が無事に終わり、アルゴリズムが起動して世界が破滅しようとしていたことに誰も気づいていないことを意味しています。
名もなき男とプリヤとのやり取りのあとに流れる「世界を破滅させる危機があった」というナレーションは、アルゴリズムが起動してしまい地球上のすべての生命が死んでしまう危険性があったことを意味しています。
電話に記録を残すキャット
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テネットの最後のシーンで、キャットは息子のマックスを迎えに行った学校で、不審な車を目にします。その場でキャットは、日時と場所を伝言に残します。これは名もなき男から渡されていた携帯電話です。日時と場所は「記録」として名もなき男に伝わります。
キャットが見た不審な車には、キャットを暗殺しようとしていたプリヤが乗っていました。せめて息子のマックスが来る前にと、プリヤは男に指示を出します。しかし男は急に車に乗ってきた名もなき男に撃たれてしまいます。プリヤは名もなき男がちょうど現れたことに「この場所・・・ 今日・・・」と驚きます。
名もなき男はプリヤに、キャットの伝言が流れる携帯電話を見せながら「記録(英: posterity)」だと言います。キャットの伝言は現実世界でいうクラウドのような、どこからでもアクセスできる記録として残されていたようです。
プリヤはなぜ殺されたのか
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プリヤは名もなき男に撃たれて殺されます。その理由はプリヤがキャットを殺そうとしたのと同じです。
「TENET」では情報や記録がすべてです。全人類にとって危険なアルゴリズムを隠すためには、アルゴリズムに関する情報をすべて消す必要があります。それは人の記憶もです。なぜならアルゴリズムについて知らなければ、それは存在しないことと同じだからです。これはニールのナレーションにもつながります。
アルゴリズムについて詳しく知っているセイターは、キャットに撃たれました。セイターの部下ボルコフも最終決戦で死にます。名もなき男、ニール、アイブスの3人は別れ際に、アルゴリズムを隠したあと、それぞれ死ぬことを約束しています。したがって残るは、プリヤとキャットということになります。
だからプリヤは知りすぎたキャットを殺そうとします。プリヤはこれまで指示を出していた黒幕の役割として、後始末をしようとしました。しかし実際には名もなき男が黒幕であり主役だったことが明かされます。それを聞いたプリヤは、自分の死を受け入れます。
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キャットを殺さなかったのは、キャットにとってマックスがすべてで、今後アルゴリズムに関わろうとはしないだろうと判断したためだと思います。名もなき男の誰もアルゴリズムについて知らない世界、アルゴリズムの存在しない世界を作る任務は完了します。
まとめ
「TENET」のラストシーンの意味を理解するのに重要な3つのシーンを考察しました。
「TENET」で大事なことは、アルゴリズムの起動を阻止することだけではありません。アルゴリズムに関する情報を消すことも重要な任務でした。
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