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「TENET テネット」には“時間の逆行”というSFが登場します。それを可能にする技術がエントロピーの減少です。
現実の科学では、エントロピーは増大するもので、その逆はないとされています。
「TENET」におけるエントロピーとは、エントロピーの減少とはなんなのかを考察していきます。
「TENET テネット」におけるエントロピーを解説
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「TENET」でエントロピーという言葉が登場するのは、以下のシーンです。
- 研究者バーバラとの会話
- 空港でのニールとの会話
研究者バーバラとの会話では、なぜ銃弾が壁から銃へと戻るのか話しているとき。ニールとの会話では、物理学的に時間が巻き戻り、時系列が逆転する可能性を話しているとき。エントロピーを減少させる技術が、これらを可能としていると話にでてきます。
エントロピーとは
「TENET」におけるエントロピーとは、時間の流れです。朝の7時に起きて、1時間かけて身支度をすれば8時になっている。7時から8時に時間が1時間流れるのは、一方向であり、そこにはエントロピーがあります。
そしてこのエントロピーは増大し続けると言われています。
エントロピー増大の法則
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エントロピーは外部から何かしらの力が加わらない限り、増え続けます。外部からの影響がない限り、時間の流れる方向は変わらないということです。7時から1時間経過すると、6時になっている、なんてことはありません。
この外部の影響は、架空の存在としてマクスウェルの悪魔と呼ばれています。エントロピーは増え続けても、減ることはない、それがエントロピー増大の法則です。
しかし「TENET」では、時間の逆行、つまり実際に人やものが時間を巻き戻せるエントロピーの減少が起こっています。
時間の逆行はエントロピーの減少
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エントロピーが減少すると、時間の流れが反対になります。7時から1時間たてば6時になるということが起きます。「TENET」の時間の逆行とは、そういう現象です。
回転ドアを通った人や物は、エントロピーが減少している状態になります。エントロピーが減少している銃弾、逆行弾は銃から壁に撃つのではなく、壁から飛び出て銃でキャッチします。
「TENET」において時間の逆行を可能とする技術は、エントロピーを減少させる技術ということになります。「TENET」では、架空の存在とされたマクスウェルの悪魔が実現されたということになります。
研究者バーバラは、この技術は核融合の逆放射を利用しているだろうと推測していましたが、具体的には判明していませんでした。この技術を開発したのは、何世代も先の開発者です。名世代も先の未来で開発された時間の逆行技術が、時間を逆行して現代まで運ばれてきたということです。
壁から飛び出す1発の弾丸
クリストファー・ノーラン監督は「壁から飛び出す1発の弾丸」というたった1つのアイデアから「TENET」を考えたといいます。
名もなき男が壁から飛び出す弾丸をキャッチして驚くシーン。このシーンを撮影できただけで、クリストファー・ノーラン監督は満足だったのかもしれません。