「TENET テネット」の逆行アクションは演技の逆再生ではなく、監督の本物志向の究極の現れ

「TENET テネット」名もなき男と逆行アクション

Image: YouTube/Warner Bros. Pictures/(C)2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved

これどうやって撮影したの?「TENET テネット」を観て、映像を楽しんだあと、冷静になったときにそう思いました。

クリストファー・ノーラン監督のことなので、グリーンバック使って、逆再生でちょちょいのちょい、なんてことはありませんでした。

同じシーンを2回撮影することで実現したそうです。

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逆行アクションの撮影方法

「TENET テネット」には時間の逆行という、全くあたらしい概念のアクションが登場します。もちろん、普通に撮影した演技を、逆再生しただけのような、簡単なものではありません。

監督のクリストファー・ノーランは、同じシーンを2回撮影するという手法で実現しています。グリーンバックは使っていません。

同じシーンを2回撮影

オスロ空港のフリーポート

Image: Youtube/(C)2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved

ノーラン監督は逆行アクションを実現するために同じシーンを2回撮影しています。

例えばジョン・デヴィッド・ワシントン演じる名もなき男が、初めてフリーポートで逆行する人物と対決したシーンです。

まずは1回目、通常の名もなき男と逆行する人物のアクションを、撮影します。2回目は名もなき男が、キャットを助けるために逆行したときです。同じシーンを次は、逆行している名もなき男の目線で撮影する必要があります。

つまり1回目では通常だった名もなき男が、2回目は逆行するアクションをする必要があります。どちらのシーンも、通常と逆行のアクションが同時に映像に写る必要があります。

そのため普通に撮影した映像を逆再生するだけでは、実現できないことがわかります。

逆行アクションのトレーニング

逆行アクションは、主人公の名もなき男を演じたジョン・デヴィッド・ワシントンはもちろんのこと、経験豊富なスタントマンですら未体験のアクションです。

ワーナー ブラザースYouTube公式チャンネルでは、ジョン・デヴィッド・ワシントンやスタントマンがトレーニングしている姿が公開されています。

フリーポートで名もなき男が、初めて逆行する人物と対決するシーンの訓練をみることができます。

逆行の演技を支える美術

また名もなき男が科学者バーバラから、逆行やそれによって起こりうる第三次世界大戦の説明を受けているときのメイキングも一部公開されています。

名もなき男の手に謎の部品が引き寄せられる映像が、実物で撮影されていることが分かるシーンとなっています。

演技だけでなく、それを支える美術も高いレベルなのが分かります。グリーンバックを使っていないことが証明される映像であり、驚きのメイキングです。

監督の本物志向の究極の現れ

「TENET テネット」は、クリストファー・ノーラン監督の本物志向の究極の現れを感じる作品です。

撮影監督のホイテ・ヴァン・ホイテマは、IMAX®カメラを逆に回して撮影していることを明かしており。王道のスパイ映画でありながら、逆再生のような音楽など撮影手法は新たな技術が多く使われている作品になっています。

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