ネタバレなしで予習
出典:IMDb/(C)2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved
「TENET」をまだ観ていない方は、宣伝やすでに観た人の感想から難解なイメージを持っているかもしれません。
それでこの映画を観るのをやめてしまうのはもったいないです。
確かに映画の中に出てくる現象を現実の理論で解明しようとすると、それは難しいです。
あと細かなつじつまの部分を完全に自分の頭で埋めることもかなり難しくはあります。
ただ「主人公が敵の世界滅亡計画を阻止する」というメインのストーリーはとても単純です。
ストーリーとは別に細かなところまで理解したいという方は、本記事の内容を頭の片隅に置いておくとより楽しめるかもしれません。
何回も観返すときの参考にも使えると思います。
撮影に使ったのは本物の飛行機
クリストファー・ノーラン監督の作品の特徴のひとつにリアリティの追及があります。
「TENET」に関していえばIMAXカメラでの撮影もそうですし、予告にも出てくる飛行機のシーンでは本物の機体を使用しています。
映画館のスクリーンを通して圧倒的な映画体験を提供したい監督の思いがこもっています。
時間の逆行
出典:IMDb/(C)2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved
「TENET」の一番のキーポイントは時間の逆行です。
予告にもでてきますが、壁に埋まった銃弾が拳銃に戻るという時間の流れが逆になる現象です。
映画のセリフにもある通り現実の理論でも「エントロピーの減少」が起こればあり得ることみたいです。
ただそんな現実の物理は置いておいて「TENET」では「結果が原因よりも先に起きる」ことがあるということだけ覚えておいてください。
つまり自分が投げてもいないボールが手元に戻ってくることもあれば、自分が撃ってもいない銃弾が拳銃に戻ってくることもあるということです。
出典:Youtube/(C)2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved
「TENET」とはそういう世界です。
「TENET」の物理としてそう思っておくと、作品をより楽しめます。
いま、だれが、どこにいるんだ、と頭が少しごちゃごちゃしてきたら、主人公の視点が唯一の時間軸だということだけ思い出してください。
これは監督本人も公言しています。
出典:Youtube/(C)2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved
余裕があれば音楽にも注目しておくとたまに逆再生のようになっているときがあります。
でも音楽については2回目以降みるときからの注目でもいいかもしれません。
冒頭から油断禁物
というより勝手に集中してしまうと思います。
映画が始まる前の配給会社のワーナー・ブラザースやシンコピー・フィルムズのロゴからすでに目が離せません。
出典:IMDb/(C)2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved
冒頭オペラハウスのシーンもいろんな要素が最初から詰まっているので何が何だかわからないかもしれませんが、その違和感もそのまま楽しんでほしいです。
どこか注目したいポイントといえば、赤い紐のストラップにもし気が付けるなら、なにか観たなくらいに覚えておくと後々つながってきたりします。
何だか神秘的なものをみた感覚になるかも
Sator square/Creative Commons
セイター、アレポ、テネット、オペラ、ロータス
このキーワードを覚えておくと後で「SATORスクエア」を知った時に、へーー、となります。
タイトルのTENETが回文であることはお気づきだと思いますが、徹底して回文要素が詰め込まれておりそこまでノーランは考えているのかと驚きます。
主人公の相棒ニール
出典:IMDb/(C)2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved
「TENET」のストーリーが魅力的なのは、脇役ニールのおかげかもしれません。
脇役といっても主人公の相棒としてほぼ主役級の活躍をしています。
ジョン・デヴィッド・ワシントンとロバート・パティンソンとのバディ感はすごくかっこいいです。
このニールの動きに注目するのも「TENET」を理解する一つのポイントです。
カーチェイス
出典:IMDb/(C)2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved
カーチェイスは一番混乱する人が多いシーンです。
ただここからが「TENET」本領発揮というシーンでもあります。
こま切れに登場した時間の逆行の意味がなんとなく分かると思います。
カーチェイスでの時間の逆行などの流れをある程度つかんでおくと、最後の決戦シーンも同じような流れなので理解しやすくなり、より楽しめます。
本音はいますぐ観てほしい
予習はしてもしなくてもどちらでもいいです。
何かひっかかるところがあったら、なんとなく覚えておいて後で自分の頭の中で補完していく楽しみもあります。
ノーラン作品はどちらかというと、そういう点を楽しむ映画でもあります。
どちらにせよ「TENET」を楽しめます。
クリストファー・ノーラン監督の過去作を見ておかなくちゃとか、そんなことは一切ありません。
ノーラン作品は特に独特な概念を描いた作品が多いので好き嫌いが分かれる監督でもあります。
ただ前情報を何も頭に入れずに初見の衝撃を受ける感覚を感じてほしいです。
「TENET」が気に入ったらぜひ他のノーラン作品も観てみてください。
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