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ニールは映画「TENET テネット」の中で特に謎に包まれたキャラクターです。
時系列や行動のタイムライン、最後には生きているのか死んでいるのかまで多くの謎を残すキャラクターです。
そんなニールの矛盾を解き明かすヒントが「赤い紐のストラップ」です。
※この記事は映画「TENET テネット」のストーリーに関する大幅なネタバレを含むことをご了承ください。
ニールと謎の男を結びつける赤い紐のストラップ
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「赤い紐のストラップ」は冒頭キエフ国立オペラハウスのシーンにはじめて登場します。
銃を突き付けられ危機一髪の主人公を逆行弾により助けてくれる謎の男のリュックにつけられています。
謎の男はスタルスク12でのTENET側と未来側との最終決戦でも登場します。
なぜこの赤い紐のストラップが重要かというと、謎の男とニールとが同一人物であることを紐づけてくれるからです。
セイター率いる未来側からアルゴリズムを回収した主人公、ニール、アイブスの三人。
三人の別れ際、ニールのリュックに赤い紐のストラップが揺れていることに主人公の名もなき男は気づきます。
観客にとっても謎の男とニールとが結びつく瞬間です。
なぜニールがストラップを付けていたのかはわかりません。
お守りなのか、ただのアクセサリーやキーホルダーなのか。
「TENET」に出てくる印象的な衣装のひとつです。
ニールの行動タイムラインを整理
謎の男がニールである前提で、ニールの重要な行動を映画の時系列で整理すると以下になります。
- 主人公を救うオペラハウスの謎の男
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- 主人公にとっては初対面のムンバイ
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- スタルスク12で生き返り主人公を救う謎の男
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結論から言うとニールはスタルスク12で主人公を救った後に死亡していると考えられます。
映画の時系列でいつ死んだのかというと、時間挟撃作戦が行われた後です。
アルゴリズムを回収し、主人公の名もなき男、ニール、アイブスの三人が別れた後です。
ニールは再び時間を逆行し、鉄格子のシーンまで戻り主人公をかばって撃たれます。
なぜニールは死ぬとわかっていながら時間を逆行したのか。
それはアルゴリズムを回収し救われた未来は、ニールが撃たれて名もなき男を助けた過去のもとに成り立っているからです。
主人公が助かる過去を作るためにニールは時間を逆行します。
未来を作る主人公、過去を作るニール
「TENET」の最後では、ニールはそもそも主人公に雇われたことを明かします。
挟撃作戦のあとに主人公の名もなき男から「誰に雇われたのか」と聞かれたニールは次のように答えます。
Haven’t you guessed by now? You did! Only not when you thought. You have a future in the past. Years ago for me, years from now for you.
映画「TENET テネット」劇中セリフIMDbより引用
まだわからないのかい?君だよ!わかるときがくる。君の未来は過去にある。僕にとっては数年前、君にとっては今から数年後。
つまりニールはすでにこれまでの作戦について多少なりとも知っており、未来から逆行してきていたということです。
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主人公の名もなき男が、これまでのすべての作戦を考えた黒幕が自分だったことを知るセリフでもあります。
主人公が仕事中はアルコールを飲まないことを、初対面なのにニールが知っていたのはそのためです。
過去を知っているニールは先行して主人公の名もなき男をサポートしてくれていました。
ニールの役割は「無事にアルゴリズムを回収した過去」を作ることでした。
そして主人公は「無事にアルゴリズムを回収した過去になるための未来」を作っていかなければなりません。
ニールを雇ったり、武器商人のプリヤを雇ったり。
これは「TENET」の中では描かれていません。
名もなき男は未来に向けて下準備をしていかなければいけません。
過去に向かって進んできたニール、未来に向かって進んでいく名もなき男の二人による壮大な挟撃作戦だったことがわかります。