シリーズ原点ともいえる映画「M:I-2 ミッション:インポッシブル2」のあらすじネタバレ解説

映画「ミッション:インポッシブル2」のあらすじ
Image: Paramount Movies/YouTube

1作目から4年の時を経て公開された本作「M:I-2」(2000年製作)。全世界興行収入は1作目を上回る5.4億ドルを記録。初めてみたのも公開時くらいだったので、それが20年以上前ってちょっと驚きです。「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」(1999年製作)とか「マトリックス」(1999年製作)とかと同じく、まだまだ映画を映画館で観ることが今以上に特別な時間だったあの頃。そんな「M:I-2」を最新作に向けて久々に見直したので、せっかくなのであらすじをまとめておこうと思います。観返した結果「ミッション:インポッシブル2」はある意味シリーズの原点だと感じました。

※本記事は「M:I-2」の重要なネタバレを含むため、本編ご鑑賞前の方はご注意ください。

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本作の敵はイーサンを知り尽くしたIMFエージェント

本作のラスボスは、イーサンの替え玉をした経験をいいことにイーサンの手の内を知り尽くした同じIMFエージェントのショーン・アンブローズ(ダグレイ・スコット)。イーサンのスパイとしてのスキル、性格を逆手に取ってくる手強いショーンをイーサンはどうやって倒すのか。

イーサンの休暇中に起きた悲劇、次の世界の脅威は病原菌

命綱なしでロッククライミングをするイーサン
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オーストラリアはシドニーにあるバイオサイト製薬会社。ネコルヴィッチ博士(ラデ・シェルベッジア)は、病原菌キメラを自身に注射し治療薬ベレロフォンを持ってアトランタの疾病管理センターへと向かうためイーサンに護衛の依頼をした。休暇中で連絡のつかないイーサンの代わりにIMFが向かわせたのは過去に替え玉経験のあるショーン・アンブローズだった。変装したアンブローズをイーサンだと思い安心して飛行機に乗っていたネコルヴィッチ博士は、飛行機の墜落事故にみせかけて乗客もろとも殺されてしまう。

休暇中のイーサンは命綱なしでロッククライミングをしていた。頂上に到達するとIMFのヘリが現れ、小型ミサイルがそばに打ち込まれる。ミサイルから出てきたサングラスをかけると虹彩認証が行われ指令が流れ始める。今回のミッションは盗まれた「キメラ」を回収すること。そのためにまずは世界中の捜査機関から指名手配されている窃盗のプロのナイア・ノードフ=ホール(タンディ・ニュートン)を仲間にする必要がある。

今度の仲間は世界が追う大泥棒

「M:I-2」(2000年製作)の美女はナイア・ノードフ=ホール
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ナイアはオークションにかけられる50万ポンドのブルガリのネックレスを盗むためにスペインのセビリアにいた。しかし警備担当として先回りしていたイーサンに邪魔される。イーサンから仕事をもちかけられるも聞く耳をもたず去ってしまう。翌日峠をオープンカーで走っていたナイアの前に再びイーサンが現れる。追っ手を追い払うというとイーサンがスパイであることを見抜くナイア。イーサンをまくために荒々しく運転するも、対向車を無理に避けて崖から落ちそうになる。すかさずイーサンは自分の車をわざとぶつけてナイアを助ける。一緒にスピンする二人の車。スローモーションになり目が合う二人。イーサンはルール違反だといいながらもナイアと関係をもってしまう。

イーサンは火祭りのなか長官のスワンベック(アンソニー・ホプキンス)に会いに行きます。そこで昔の友人ネコルヴィッチ博士が自分に助けを求めていたこと、休暇中のイーサンに連絡がつかずIMFが替え玉としてアンブローズを派遣したところ旅客機は墜落、博士は死亡したことを知ります。ナイアを仲間にしたのは単に盗みのプロだからではなく、半年前ナイアはアンブローズをフッた関係だったからでした。キメラとはなんなのか、キメラを使って何をするつもりなのかナイアにアンブローズを探らせるためだったのです。

アンブローズが起こした飛行機事故の現場写真をみて唖然とするナイア。危険を承知で彼に近づけと!?と憤慨するナイアに、大事な人に本当はこんなことさせたくないと応じるイーサン。なにか覚悟を決めたようにフッと笑みをみせたナイアは、警察に捕まったことにしてそこをアンブローズに助けさせることに。ナイアには専用のコンピュータからしか追跡できない発信機を打ち込み、常にイーサンが居場所を把握する。ナイアはなんとかアンブローズのもとへ潜入することに成功し、イーサンのもとにはコンピュータの魔術師でおなじみのルーサー・スティッケル(ヴィング・レイムス)とその他もろもろをこなすビリー・ベアード(ジョン・ポルソン)が集結。

変装マスクによる心理戦

ナイアを助けることを誓うイーサン
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ナイアを受け入れたアンブローズはキメラを競売にかけ、3700万ポンドの入札を受けて上機嫌。そこに部下のヒュー・スタンプ(リチャード・ロクスバーグ)が、ナイアの危険性を訴えるも「そんなことは百も承知だ」とアンブローズは葉巻カッターでヒューの小指の先を切ってしまいます。あるデータを持ってアンブローズはナイアを連れて競馬場を訪れる。ナイアはナイアで競馬を楽しんでるように見せかけアンブローズの動向を探る。競馬場スタッフとして近づいたビリーから通信機モニターイヤホンを受け取り、ようやくイーサンと話せて一安心するナイア。一方アンブローズはバイオサイト社の社長ジョン・C・マックロイ(ブレンダン・グリーソン)と会い、なにかをデジタルカメラで見せている様子。イーサンはナイアに戻ってきたアンブローズの上着からそのデータの入ったメモリーカードを抜き取り持ってきてほしいと頼む。ナイアはメモリーカードの入った封筒をうまく抜き取り、次のレースの馬券を買ってくるとうまくその場を去ります。ルーサーは少し離れたところから通信機能付きデジタルカメラを急いでイーサンのところまで運びます。ナイアから受け取ったデータの中身はネコルヴィッチ博士の相棒、グラツキー博士(クリスチャン・マノン)がキメラに感染し、ものすごい速さで細胞が破壊され20時間後には治療不可能となり34時間後には死亡してしまう様子が収められていた。イーサンたちは事態の深刻さを理解する。ナイアにアンブローズから離れるよう伝えるも無理だと言われその場は別れる。

イーサンたちは会社から帰るマクロイを運転手になりすましてそのまま誘拐する。目を覚ましたマクロイの目の前にはネコルヴィッチ博士に変装したイーサン。キメラに感染したと錯覚させられたマクロイは自分の企みをすべて話す。キメラはネコルヴィッチ博士らによるインフルエンザ・ウイルス研究の副産物として誕生したこと。いち早く人間でキメラを実験したかったマクロイによって、グラツキー博士は感染させられたこと。治療薬ベレロフォンをネコルヴィッチ博士が全部持ち出したこと。このことからイーサンはアンブローズは治療薬しか持っておらず、バイオサイト社にあるすべてのキメラを破壊すれば解決することを知る。ビリーが運転手としてマクロイを家まで届け、まるで夢をみていたかのように思わせる。

一方ナイアはイーサンにいわれたとおりアンブローズ不在のチャンスを活かして脱走を試みる。守衛に見つかりそうになったところで何者かに物影に引き込まれる。イーサンだった。安堵するナイアだったが、それはイーサンに変装したアンブローズだった。イーサンに扮したアンブローズは「いま抜け出すとアンブローズに怪しまれる、もう少しの辛抱だからこのまま奴のそばにいてくれ」とナイアをなだめる。グッとハグをしてナイアをもとに戻らせる。マスクを脱ぎ涙するアンブローズのもとに、イーサンがマクロイからすべてを聞き出したことをヒューが伝えに来る。イーサンを知り尽くしたアンブローズは、イーサンがバイオサイト社にキメラを破壊しに来ることに備える。

ナイアを置いてひとり去るイーサン
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バイオサイト社に侵入したイーサンは、キメラを破壊していきます。最後の注射器を破壊しようとしたとき、ネコルヴィッチ博士が自分自身にキメラを打ち込む姿が頭をよぎり助けられなかった悔しさをにじませます。破壊しようとしたまさにその瞬間にアンブローズたちが到着し銃撃され、注射器が破壊前に投げ出される。最後のキメラを争って激しい銃撃戦が繰り広げられ、多勢に無勢で追い詰められるイーサン。アンブローズはナイアにキメラの注射器を取りに行かせます。イーサンを助けたいナイアは拾った注射器で自分にキメラを注射してしまいます。すかさず20時間のタイマーをセットするイーサン。絶対に助けることを誓いその場をひとりで去ります。

直接対決、新たな名シーンの誕生

炎の中から現れるイーサン・ハント
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ナイアのキメラに感染した血液と治療薬のベレロフォン。どちらも揃ったアンブローズはマクロイと最終段階の商談に入ります。キメラの感染を広げ治療薬で会社の株価を上げるため、ナイアはシドニーの繫華街で解放されます。アンブローズは3000万ドルの現金だけでなく51%の株式も要求し、従うしかないマクロイは渋々同意。話がまとまったそのとき爆発の炎とともにイーサンが現れます。追いかけるヒューたち。手こずるもアンブローズのもとに戻ってきたヒューの手にはボコボコになったイーサンの姿が。勝ち誇ったアンブローズはまず膝に1発。それまでの恨みを晴らすかのようにイーサンを何発も撃ちます。ふと包帯が巻かれた指が目に入り、恐る恐るイーサンの顔をさわるとそれはマスクをかぶされたヒューでした。叫ぶアンブローズを横目にキメラとベレロフォンを奪ってイーサンはルーサーたちのもとへと走ります。あと1歩のところで敵に追いつかれ、ルーサーたちにはナイアの保護を優先させ、イーサンはアンブローズたちと最終局面です。倒した敵の乗っていたバイクを奪って爆走するイーサン。次々と敵を倒し、残るはアンブローズ。さすがIMFでイーサンの替え玉をしてきただけあって手強いです。ナイアへの想いから怒りを爆発させるイーサンですが最後の1手で踏みとどまり殺すのをやめます。ちょうどナイアを保護して到着したルーサーたちのもとへベレロフォンを届けます。その隙に背後から銃を向けるアンブローズ。足元の銃を蹴り上げ、アンブローズの銃弾を避け、イーサンはアンブローズを倒します。ナイアには無事にベレロフォンが注射されます。

アンブローズとの直接対決
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IMFにてスワンベックからのナイアの犯罪記録を抹消する提案に同意するイーサン。生きたキメラのサンプルを持ち帰る指令でしたがイーサンは破壊していました。しばらく休暇をとることを伝えるイーサン。人々が和気あいあいとする芝生広場で落ち合う二人。お互いを強く抱きしめ合い「消えよう」と肩を抱き合いながら人ごみの中へと歩いていきます。

ミッション:インポッシブルらしさが詰まった2作目

シリーズ初のバイクアクション
Image: Paramount Movies/YouTube

「M:I-2」はジョン・ウー監督によるシリーズのなかでも一風変わった作品だと思っていました。お決まりの鳩だったり、ここぞのシーンでのスローモーションだったり。しかし、2回目3回目と見るたびに気がつくことがあります。それは「いまのミッション:インポッシブルっぽさってここから始まってる」ってことです。1作目にも増して変装マスクによる心理戦が効果的に登場。そして変装マスクに加えて変声器の導入。小型ロケットからのサングラスによるミッション伝令の演出。命綱なしのイーサンのロッククライミング。そして派手なバイクアクション。フォールアウトまでのシリーズを通してのミッション:インポッシブルっぽさが詰まってました。あらすじをまとめてるだけでストーリーに興奮してしまってまた観たくなる作品です。