イーサンを守ってきたミッション:インポッシブルの歴代ヒロインたち

木陰で話すイーサンとイルサ
Image: Mission Impossible/YouTube

ミッション:インポッシブルシリーズといえばトム・クルーズ演じるイーサンのアクションが見どころ。しかし各シリーズで登場するヒロインを演じる女優キャストにも注目が向けられています。そこでシリーズ歴代ヒロインを振り返ってみたら、イーサンのヒーロー像がみえてきました。今回は歴代ヒロインを演じてきたキャストを紹介しつつ、各ヒロインの役割も分析していきます。

※本記事はミッション:インポッシブルシリーズのネタバレを含みます。

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華なのか棘なのか歴代ヒロインを演じた女優キャスト

美女ぞろいの歴代ヒロインを振り返ってみると、ただ映画に華をそえるだけではなく、イーサンを守り、シリーズを通してイーサンのヒーロー像を形作ってきたことがわかります。

クレア・フェルプス/エマニュエル・ベアール

「ミッション:インポッシブル」(1996年製作)のヒロイン、クレア・フェルプス
Image: Paramount Movies/YouTube

記念すべき1作目「ミッション:インポッシブル」(1996年製作)のヒロインは、クレア・フェルプスです。イーサンがスパイとしてのすべてを教わった上官エージェント、ジム・フェルプスの妻です。裏切り者だったジムを追い詰めた最後、撃たれそうになったイーサンをかばい撃たれます。

1作目のヒロイン、クレア・フェルプスを演じたのはフランスの俳優エマニュエル・ベアールです。エマニュエル・ベアールは映画「Demain les mômes」で1976年にデビューし、「天使とデート」(1987年)、「美しき諍い女」(1991年)、「フランスの女」(1995年)、「8人の女たち」(2002年)などに出演しています。

IMF内部に裏切り者がいたというイーサンにとって衝撃のストーリー。クレアも失うも立ち上がり、イーサンはスパイとして一段バージョンアップしました。

ナイア・ノードフ=ホール/タンディ・ニュートン

「M:I-2」(2000年製作)の美女はナイア・ノードフ=ホール
Image: Paramount Movies/YouTube

2作目「M:I-2」(2000年製作)の美女はナイア・ノードフ=ホール。ナイアは本作の敵、ショーン・アンブローズの元恋人であり盗みのプロということで、今回のミッションのパートナーに選ばれます。盗み出されたウイルスをめぐってイーサンが絶体絶命のときに、ナイアはウイルスを自らに打つことでイーサンを守ると同時に、アンブローズにウイルスを渡さない選択をしました。

ナイアを演じたのはイギリスの俳優タンディウェ(タンディ)・ニュートン。ニュートンは映画「ニコール・キッドマンの恋愛天国(原題:Flirting)」でデビュー。同作でニコール・キッドマンと共演しており、ニュートンは「M:I-2」への出演を、当時トム・クルーズと結婚していたニコール・キッドマンの推薦によってこの役に決まったのではないかと考えています。

you know who got me that role? Nicole Kidman.

誰が私にその役割を与えたか知っていますか?ニコール・キッドマン。

In Conversation: Thandie Newton/Vultureより引用

イーサンの「大勢の命と同じように一人を守る」というエージェントとしての覚悟はこのときから明確になっていったように感じます。

ジュリア・ミード/ミシェル・モナハン

「M:i:III」(2006年製作)のヒロイン、ジュリア・ミード
Image: Paramount Movies/YouTube

2作目公開から6年が経った3作目「M:i:III」(2006年製作)のヒロインは、ジュリア・ミードです。ヒロインでありイーサンの婚約者として登場します。同じエージェントやミッションでのパートナーではなく一般人の、イーサンにとって大切な人です。やはり敵にそこを狙われます。敵に埋め込まれた脳内の小型爆弾を無効化するために、仮死状態に陥るほどの電気ショックを受けるイーサン。蘇生するまでの間、向かってくる敵を看護師のジュリアが銃でイーサンを守ります。

ジュリアを演じたミシェル・モナハンのスクリーンデビューは、2001年に公開された「PERFUME パフューム」です。2002年にテレビドラマ「ボストン・パブリック」のキンバリー・ウッズ役でブレイク。サスペンスコメディ映画「キスキス, バンバン」(2005年製作)にてロバート・ダウニー・Jr.、ヴァル・キルマーに次ぐメインキャストとして出演し「M:i:III」へと出演しています。

イーサンの婚約者ジュリアとしての存在感は、ちょい役も主役級の役も演じてきたモナハンならではのものです。諜報員としてのイーサンの人生はここから、より複雑だけれどより深いものになっていきます。

サビーヌ・モロー/レア・セドゥ

「ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル」(2011年製作)ヒロイン、サビーヌ・モロー
Image: Paramount Pictures/YouTube

サビーヌ・モローはイーサン不在のIMFチームの目の前に現れた暗殺者です。報酬はダイヤモンドで、テロ組織の手に渡ろうとしていた核ミサイルの発射コードを手に入れたIMFエージェントを暗殺し、コードを奪いました。

フランス出身のレア・セドゥは、2008年に出演した「美しいひと(原題:La belle personne)」、2010年に出演した「美しき棘(原題:Belle Épine)」でフランスのアカデミー賞にあたるセザール賞にて有望若手女優賞にノミネート。その後「イングロリアス・バスターズ」(2009年製作)、「ミッドナイト・イン・パリ」(2011年製作)などハリウッド映画にも進出し「ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル」(2011年製作)へと出演。

「M:i:III」までの美女とは役どころが違いますが、本作の敵コバルトはサビーヌ・モローの顔を知りませんでした。そのおかげでイーサンたちは核ミサイルの発射コードを奪うことができました。

イルサ・ファウスト/レベッカ・ファーガソン

「ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション」(2015年製作)に登場する美女はイルサ・ファウスト
Image: Mission Impossible/YouTube

5作目「ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション」(2015年製作)に登場する美女はイルサ・ファウストです。元英国諜報員ソロモン・レーンにはめられ、テロ組織につかまったイーサン。まさに拷問が始まるというところに現れたイルサ。テロ組織側の人間として登場するも、イーサンはイルサのおかげでその場から脱出する。イルサも実はイギリスの諜報機関MI6のエージェントであり、イーサンと同じく犯罪組織「シンジケート」を壊滅すべく潜入していたのだった。

5作目以降重要なキャラクターであるイルサ役を演じているのは、スウェーデン出身の俳優レベッカ・ファーガソンです。2013年に放送されたイギリスのテレビドラマシリーズ「ホワイト・クイーン 白薔薇の女王」でエリザベス・ウッドヴィルを演じ、同作で第71回ゴールデングローブ賞ミニシリーズ・テレビ映画演技賞の主演女優賞にノミネートされ注目されます。そして2015年に「ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション」に出演以降シリーズを通してイルサとして登場しています。トム・クルーズが出演するシリーズとして最後の8作目まで出演するといわれています。

ジュリアの次にイーサンにとって愛すべき女性として登場したイルサ。毎回同じようなストーリー構成にみえても、飽きることなくむしろ毎シリーズパワーアップしていっているように感じるのはアクションだけでなくイルサのような魅力的なキャラクターのおかげでもあります。

ホワイト・ウィドウ/ヴァネッサ・カービー

「ミッション:インポッシブル フォールアウト」(2018年製作)初登場のヒロインは、ホワイト・ウィドウ
Image: Paramount Pictures/YouTube

6作目「ミッション:インポッシブル フォールアウト」(2018年製作)初登場のヒロインは、ホワイト・ウィドウです。5作目でイーサンが壊滅に追い込んだシンジケートの残党はアポストルと名乗り、お金で犯罪を請け負うテロ組織となっていました。アポストルの手に渡ろうとしていた核爆弾の材料となるプルトニウムの奪取に一度は失敗したものの、裏の世界の仲介人であるホワイト・ウィドウとの取引により再びプルトニウムを奪うチャンスを手に入れます。またイルサを苦しめたソロモン・レーンとMI6との関係の解決にも一役買いました。

ホワイト・ウィドウを演じているのはイギリスの俳優ヴァネッサ・カービーです。IMDbによると一番最初の出演作は2010年のイギリス映画「Love/Loss」でのジェーン役です。Netflixのドラマシリーズ「ザ・クラウン」(2016-)にてマーガレット王女を演じ、英国アカデミー賞テレビ部門助演女優賞(2018年)を受賞しています。そして「ミッション:インポッシブル フォールアウト」へと出演しその認知度を確かなものとします。

ウィドウは完全な味方ではありません。しかし動きの読めないアポストルの情報を得るには必要不可欠な存在でした。最終的にはイルサとMI6との関係を断ち切る役割も果たしてくれます。

今後イーサンはどうなるのか

毎シリーズのストーリーはアクションと敵との決着がどうなるか、が一番の見どころです。しかしシリーズを通してみるとヒロインとの関係がどうなっていくのかという点も大注目なポイントです。8作目でトム・クルーズ演じるイーサンは幕を閉じると言われています。イーサンの最後がどうなるのか、イルサや別の誰かなのかヒロインとの関係が重要なものになってくると思います。