『ジュラシック・パーク』のロケ地、イスラ・ヌブラル島は実在した。ハワイに存在する聖地を解説

『ジュラシック・パーク』のロケ地、イスラ・ヌブラル島は実在した。ハワイに存在する聖地を解説
Image: Jurassic Park Official Trailer #1 – Steven Spielberg Movie (1993) HD – YouTube

映画『ジュラシック・パーク』シリーズにおいて、物語の舞台となる「イスラ・ヌブラル島」や「イスラ・ソルナ島(通称サイトB)」。その恐竜たちが自由気ままに群生する雄大な自然風景は、単なるCGだけではなく、実在の風景を基に撮影されている。

主なロケ地となったのは、アメリカ合衆国ハワイ州のオアフ島とカウアイ島である。この記事では、どの名シーンが、ハワイのどの場所で撮影されたのかを解説する。

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【聖地の中心】オアフ島:クアロア・ランチ

シリーズのロケ地として最も象徴的な場所が、オアフ島北東部に位置するクアロア・ランチ(Kualoa Ranch)である。

ここは約4,000エーカー(約16平方キロメートル)に及ぶ広大な私有自然保護区であり、その特徴的な渓谷や山並みは、『ジュラシック・パーク』シリーズ以外にも『ゴジラ』『キングコング:髑髏島の巨神』など、数多くの映画やテレビドラマの撮影に使用されてきた[1]

シーン①:ガリミムスの群れが走る谷

ガリミムスの群れが走る谷
ガリミムスの群れはCGだがその群れが颯爽と走り抜けていった谷はクアロア・ランチに存在している。
Image: Jurassic Park Official Trailer #1 – Steven Spielberg Movie (1993) HD – YouTube

『ジュラシック・パーク』(1作目)で、グラント博士一行がガリミムス(Gallimimus)の群れが平原を駆け抜ける姿を目撃し、「群れです!」と驚愕するシーン。この撮影地が、クアロア・ランチ内の「カアアヴァ渓谷(Ka’a’awa Valley)」である。(関連記事:「『ジュラシック・パーク』の恐竜はなぜリアルだったのか?製作を支えたVFX技術を深堀り」)

シーン②:T-レックスから隠れた倒木

同じく1作目で、T-レックス(Tyrannosaurus rex)の襲撃から逃れる際、グラント博士とティム、レックスが身を隠した巨大な倒木。この倒木は撮影後も現地に残されており、クアロア・ランチの象徴的な撮影スポットの一つとなっている[2]

シーン③:インドミナス・レックスの檻(ジュラシック・ワールド)

インドミナス・レックスの檻(ジュラシック・ワールド)
実際の撮影で使用された11mの壁はインドミナス・レックスのでかさを体感できる。
Image: Jurassic World – Official Trailer (HD) – YouTube

『ジュラシック・ワールド』で登場した、遺伝子組み換え恐竜インドミナス・レックス(Indominus rex)の巨大な檻。この撮影で使用された高さ11メートルに及ぶ壁や、その他の恐竜のケージといったセットの一部も現地に保存されている[2]

【原風景】カウアイ島:手つかずの自然

オアフ島が「体験的な聖地」である一方、カウアイ島は「イスラ・ヌブラル島」の原風景や、より隔絶された自然のシーンを撮影するために使用された。

シーン④:オープニングを飾る滝

1作目の冒頭、ジョン・ハモンドが乗るヘリコプターが島に接近し、滝壺に着陸する象徴的なシーン。この滝は、カウアイ島南部のハナペペ渓谷にあるマナワイオプナ滝(Manawaiopuna Falls)である。現在はその名も「ジュラシック・パークの滝」として知られている[3]

シーン⑤:琥珀鉱山の入り口

1作目の序盤、ドミニカ共和国という設定で登場した「マノ・デ・ディオス琥珀鉱山」のロケ地。この滝と周辺の森は、カウアイ島東部のカパア・タウン近くにあるホオピイ滝(Ho’opi’i Falls)で撮影された[4]

シーン⑥:ラプトルの卵の発見場所

グラント博士がヴェロキラプトル(Velociraptor)の卵の殻を発見し、恐竜が野生下で繁殖していることに気づく重要なシーン。この鬱蒼とした植物が生い茂る場所は、カウアイ島南岸にあるラートン・ガーデン(Allerton Garden)である[3]

補足:ロケ地への訪問について

これらのロケ地の多くは私有地や、管理された自然保護区内にある。

特にクアロア・ランチは、個人が敷地内を自由に散策することは許可されておらず、見学には現地が催行する公式ツアーへの参加が必要となる。

ツアーには、敷地内の撮影スポットをバスで巡る「映画ロケ地ツアー」や、ジープスタイルの車両でより深くジュラシック・パークのロケ地を専門に巡る「ジュラシック・アドベンチャー・ツアー」などが存在する。

また、カウアイ島のマナワイオプナ滝も私有地内にあり、地上からのアクセスはできないため、見学はヘリコプターツアーでのみ可能となっている。

各ロケ地の訪問やツアーに関する最新の詳細については、クアロア・ランチの日本語公式サイトや、現地のツアー催行会社の情報を確認されたい。

まとめ

『ジュラシック・パーク』のリアリティと壮大なスケール感は、単なるVFX技術だけでなく、ハワイのオアフ島とカウアイ島に実在する圧倒的な自然風景によって支えられている。

これらのロケ地がどのシーンで使われたかを知ることで、作品を改めて鑑賞する際に、新たな発見と感動を得られるだろう。

参考資料:

  1. Kualoa Ranch – Wikipedia 2025年10月22日閲覧
  2. ジュラシックアドベンチャーツアー | クアロアランチ(日本語公式)|オアフ島の歴史・アクティビティ・映画ロケ地体験 2025年10月22日閲覧
  3. Complete Guide to Exploring Jurassic Park Filming Locations in Hawaii – Hawaii Travel Guide 2025年10月22日閲覧
  4. Hoʻopiʻi Falls – Wikipedia 2025年10月22日閲覧