ミッション:インポッシブルのテーマ曲がいつまでもキャッチーな理由

「ミッション:インポッシブル」のテーマ曲

Image: Paramount Movies/YouTube

導火線の着火とともに始まるミッション:インポッシブルのテーマ「Theme from Mission: Impossible」。原作のテレビドラマ「スパイ大作戦」のテーマ曲をシリーズごとにアレンジしたものが使われています。

スポンサーリンク

代表曲「ミッション:インポッシブルのテーマ」

「ミッション:インポッシブル」のテーマ曲は、「Theme From Mission: Impossible(ミッション:インポッシブルのテーマ)」です。原作テレビドラマ「スパイ大作戦」のために、ラロ・シフリンが作曲したものです。毎シリーズアレンジされているものの、7作目となる「ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE」でも使用されている代表曲です。ラロ・シフリンは映画「燃えよドラゴン」のサントラも制作し、キャッチーで長年色あせることのない楽曲を作ってきた作曲家です。

そんなラロ・シフリンが作曲した「ミッション:インポッシブルのテーマ」が、どのようにアレンジされ今にいたるのかみていきます。ちなみにミッションをイーサンに伝えるときの有名なセリフ「捕まったり、殺されても当局は一切関与しない」も、テレビドラマのころから登場しています。

映画化1作目テーマはU2がリメイク

映画化1作目のオープニングテーマは音楽家のダニー・エルフマンがアレンジしたものが使用されています。そしてエンドクレジットで流れるメインテーマは、アイルランドのロックバンドU2のメンバー、アダム・クレイトンとラリー・マレン・ジュニアによってリメイクされたものが使われています。

U2の2人は実は「Mission: Impossible Theme (Mission Accomplished)」という別バージョンも制作しており、こちらは最終的にサントラに収録されるだけとなりました。しかしこちらの方が2人の「らしさ」のようなものがある楽曲となっています。

秘密は5拍子

このテーマがなぜここまでキャッチーなリズムなのか、その秘密は拍子にあります。ミッション:インポッシブルのテーマのリズムは5拍子です。これは通常の4/4拍子とくらべて変拍子とされています。

拍子が1拍多いことで、スパイアクション映画における緊迫した雰囲気や、イーサンたちがミッションを遂行する雰囲気がリズミカルに表現されていると思います。

「M:I-2」のテーマ曲

2作目「M:I-2」のテーマ曲は「Take a Look Around」です。タイトルはまったく違いますが、「Theme From Mission: Impossible」をもとにアレンジした楽曲になっています。アレンジしたのはアメリカのバンド、リンプ・ビズキット。

よーく聴くとミッション:インポッシブルのテーマがもとになっていることはわかりますが、雰囲気もアレンジも全く違ったものになっています。独自の演出スタイルをもつジョン・ウーが監督したからこその楽曲といえます。

「M:i:III」、「ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル」のテーマ曲

3作目、4作目は作曲家マイケル・ジアッチーノが制作しています。3作目からは表記が「Mission: Impossible Theme」と変わっています。

3作目を担当したJ・J・エイブラムス監督とはリブートした「スター・トレック」シリーズで、4作目のブラッド・バード監督とは「Mr.インクレディブル」シリーズでタッグを組んできた作曲家です。

「ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション」のテーマ曲

5作目では監督のクリストファー・マッカリーと「誘拐犯(原題:The Way of the Gun)」(2000年製作)、「アウトロー」(2012年製作)で組んできたジョー・クレイマーが担当。

映画のサントラとしてはWorld Soundtrack Awards 2016にてDiscovery of the Yearを受賞しています。その中から「ソロモン・レーン」のテーマが翌年World Soundtrack Awards 2017にて、ブリュッセル・フィルハーモニックによって演奏されました。

「ミッション:インポッシブル フォールアウト」のテーマ曲

6作目の音楽を担当したのは、スコットランドの作曲家ローン・バルフです。「トップガン マーヴェリック」(2022年製作)にも参加しており、「ブラック・ウィドウ」(2021年)、「ターミネーター:新起動 ジェニシス」(2015年)など数々の大作映画の音楽を制作。

「フォールアウト」でのアレンジでは、打楽器の音が印象的に使用されていて、緊迫したテーマにいい意味で軽やかさが加わっている気がします。

洗練されながら最新作でも受け継がれるテーマ

すでに公開されている最新作「ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE」のテーマ。こちらも6作目に続いて制作したのはローン・バルフ。

YouTubeの「Lorne Balfe」チャンネルではすでに「Mission: Impossible – Dead Reckoning Part One (Music from the Official Teaser Trailer)」が公開されています。映画本編公開に先駆けて味わうことができ、これまでのテーマからさらに洗練されたテーマになっていると思います。