『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』のロケ地へ!次の旅行はローマ、アブダビ、ノルウェーで決まり

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』のロケ地、ローマ、アブダビ、ノルウェー
※画像はイメージ

映画館の暗闇で、もしくはリラックスした部屋着で、手に汗握りながらイーサン・ハントやその仲間が飛び回る世界の名所を見つめたあの興奮を覚えているだろうか。『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』が我々に見せつけたのは、単なるアクション映画の枠を超えた、息をのむほどリアルな映像体験だった。

そのリアリティの源泉こそ、CGを極限まで排し、本物の絶景で撮影されたロケーションの数々だ。トム・クルーズ演じるイーサン・ハントが駆け抜けたあの街、あの崖、あの空港は、すべてこの地球上に実在する。プロデューサーとしてトム・クルーズはかつて「『ミッション:インポッシブル』シリーズは世界を祝福する旅でもある」といった。

そう、あの感動は、今度はあなたがその身で体験する番なのだ。

この記事は、単なるロケ地の解説ではない。映画の興奮を胸に、次の旅へとあなたを誘う招待状だ。ローマの石畳、アブダビの砂漠、ノルウェーのフィヨルド…さあ、最高の聖地巡礼の旅へ出かけようじゃないか。

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【ローマ編】イーサンと共にフィアットで駆け抜けた「永遠の都」

あのカーチェイスの舞台裏:スペイン階段のシーンは「粋な配慮」の賜物

黄色いフィアット500が、手錠で繋がれたままローマ市街を爆走する。あのコミカルかつスリリングなカーチェイスを観て、胸が高鳴らない映画ファンはいないだろう。特に、観光名所であるスペイン階段を車が猛然と駆け下りるシーンは、本作のハイライトの一つだ。(関連記事:「史上最高に不運で愉快な追跡劇!『デッドレコニング PART ONE』ローマカーチェイスの熱狂を振り返る」)

「まさか、あの歴史的な階段を本当に…?」誰もがそう思ったはずだ。

だが、ここにはハリウッドの粋な計らいと、ローマへの深い敬意が隠されているのだ。実は、車が階段を跳ね降りる破壊的なシーンは、ローマの現地では撮影されていない。アクションの核となる部分は、イギリスのロングクロス・スタジオにセットを建設し撮影された。

この事実を知った上で、改めて本物のスペイン階段の前に立てば、その景観を守りながら最高のエンターテインメントを創り上げた制作陣へのリスペクトが湧き上がってくるに違いない。そして、イーサンたちが駆け抜けた街の空気を感じながら階段に座れば、あなただけの特別なワンシーンが心に刻まれるはずだ。

ローマの聖地巡礼スポット:コロッセオ、フォロ・ロマーノ

カーチェイスのルートを辿るのも一興だが、ローマの魂に触れるなら、やはりコロッセオやローマの野外博物館フォロ・ロマーノは外せない。古代ローマ帝国の剣闘士や市民たちの熱狂と喧騒が、2000年の時を超えて石畳から伝わってくるようだ。この圧倒的な歴史の重みこそが、ローマを「永遠の都」たらしめているのだ。

旅のスパイス:絶品「カルボナーラ」と”甘い生活”を体験

『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』絶品「カルボナーラ」と"甘い生活"を体験
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旅の醍醐味は、スクリーンの中の世界から一歩踏み出すことにある。聖地巡礼で心を満たした後は、胃袋も満たさなければならない。選ぶべきは、もちろんローマが発祥とされる本場の「カルボナーラ」だ。生クリームを使わない、卵とペコリーノ・ロマーノチーズ、そしてグアンチャーレ(豚ほほ肉の塩漬け)だけで作る濃厚な一皿は、人生観が変わるほどの衝撃に違いない(私はまだ食べたことがない)。

そして夕暮れ時、カフェのテラスでエスプレッソを片手におしゃべりに興じ、街を散策する人々「パッセジャータ」を眺める。これこそが、ローマが教えてくれる”ラ・ドルチェ・ヴィータ(甘い生活)”なのだ。

【アブダビ編】未来都市と砂漠が交差する、魅惑のアラビアン・アドベンチャー

当時はまだ建設中の空港ターミナルでの激走シーン

物語の重要な舞台となる中東の地、アブダビ。未来的なデザインを誇る巨大な空港ターミナルで、イーサンがアイテムを追うシーンは緊迫感に満ちていた。灼熱の太陽が照りつける砂漠を背景に、巨大な曲線の屋根の上をトム・クルーズ本人が全力疾走する姿は、まさに圧巻の一言だ。

驚くべきことに、このシーンが撮影されたアブダビ国際空港・ミッドフィールドターミナルは、当時まだ建設中だった。だからこそ、出発ゲートから手荷物エリアまで、巨大な施設を貸し切ってのダイナミックな撮影が可能になった。つまり、我々がスクリーンで目撃したのは、今となっては二度と見ることのできない、奇跡のような光景だったのだ。

アブダビの聖地巡礼スポット:シェイク・ザイード・グランド・モスクとアブダビ・コーニッシュ

空港の内部には入れなくとも、アブダビの息をのむような美しさを体験できる場所がある。その筆頭が、シェイク・ザイード・グランド・モスクだ。外観のほとんどをマケドニア産の白く輝くシベック大理石で造られた世界最大級のモスクは、荘厳かつ繊細で、訪れる者すべてを魅了するだろう。

そして夕暮れには、海岸通りアブダビ・コーニッシュの散策がおすすめだ。高層ビル群が夕日に染まり、ペルシャ湾の穏やかな海と織りなす景観は、まさに絶景に違いない。

旅のスパイス:国民食「マチブース」とデザートサファリ

『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』国民食「マチブース」とデザートサファリ
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アブダビのエネルギーを感じたいなら、食とアクティビティは欠かせない。まずはUAEの国民食「マチブース」を試すべきだ。スパイスとレモンで炊き上げたピラフ風のこの料理は、この土地の歴史と文化が凝縮したような奥深い味わいだ。

腹ごしらえが済んだら、四輪駆動車で砂丘を駆け巡るデザートサファリへ。地平線まで続く砂の海に沈む夕日を眺める体験は、きっと一生忘れられない思い出になるだろう。

【ノルウェー編】息をのむ大自然!絶壁のスタントに挑む究極の体験

トム・クルーズが6回飛んだ!あの絶壁バイクジャンプのロケ地

観客全員が固唾を飲んだあのシーン。CGではない、本物のスタントだと知った時の衝撃は忘れられない。イーサンがバイクにまたがり、雲を突き抜けるほどの高さの断崖から空へと身を投じる。これぞ『ミッション:インポッシブル』の真骨頂だ。(関連記事:「『デッドレコニング PART ONE』での崖バイクアクションの撮影方法」)

この、映画史に残るスタントが撮影された場所こそ、ノルウェーにあるHelsetkopenの断崖だ。フィヨルド地帯の険しい山脈に位置するこの崖で、トム・クルーズは完璧なショットを撮るために、なんと6回も同じジャンプを繰り返したという。その狂気じみたプロフェッショナリズムには、ただただ脱帽するしかない。

ノルウェーの聖地巡礼スポット:ムーレ・オ・ロムスダールとHelsetkopenの断崖

クライマックスの列車アクションが繰り広げられたのも、この周辺のムーレ・オ・ロムスダールだ。氷河が削り取ったU字谷、切り立つ岩壁、轟音を立てて流れ落ちる滝…。人間の存在などちっぽけに思えるほど、雄大で、厳しく、そして美しい自然がそこにはある。

Helsetkopenの崖の頂上に立つことは専門的な登山技術が必要だが、その麓から見上げ、イーサンが駆け抜けた峡谷に立てば、きっと誰もがちっぽけな悩みなど忘れてしまうだろう。

旅のスパイス:国民食「フォーリコール」と”ヒッタ”で過ごす贅沢な時間

『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』国民食「フォーリコール」と"ヒッタ"で過ごす贅沢な時間
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ノルウェーの魂に触れるには、その食文化と生活様式を知るのが一番だ。ぜひ試してほしいのが、国民食「フォーリコール」。骨付きマトンとキャベツをコトコト煮込んだだけの、驚くほどシンプルな料理だ。皮付きのまま茹でたジャガイモと一緒に食されることが多い。しかし、その素朴で滋味深い味わいは、厳しい自然と共に生きてきたノルウェーの人々の知恵そのものなのだ。

そして、ノルウェー人の精神性を象徴するのが「Hytta(ヒッタ)」と呼ばれる山小屋で過ごす文化と、「フリルフスリフ(自由な空気の生活)」という考え方だ。週末には森や湖畔のHyttaで過ごし、ハイキングやスキーを楽しむ。これこそが、世界一の幸福度を誇る国の、本当の豊かさなのかもしれない。

まとめ:さあ、あなただけの『ミッション』へ旅立とう

映画の登場人物たちがミッションのために世界を旅するとき、当然ながらキャストやスタッフもまた、その地を旅している。彼らがカメラの裏側で何を感じ、どんな体験をしたのか、我々には知る由もない。

だが、この記事で紹介した美食と歴史のローマ、未来と伝統のアブダビ、そして大自然と静寂のノルウェーの魅力に触れ、その熱気や空気感の片鱗を感じ取ってもらえたなら、これ以上の喜びはない。

スリリングな冒険、心に残る美食、圧倒的な自然…。あなたの心が最も強く揺さぶられたのは、どの目的地だっただろうか?

さあ、次はあなたが旅する番だ。この記事が、あなた自身の忘れられない『ミッション』の始まりとなることを願っている。

よくある質問(FAQ)

Q
スペイン階段のシーンは本当にセットなのですか?
A

はい。車が階段を駆け下りるアクションシーンは、俳優と歴史的建造物の安全、そして文化遺産への敬意から、イギリスのロングクロス・スタジオに作られた精巧なセットで撮影されました。しかし、映画で映る美しい遠景は本物のスペイン階段です。