「トップガン マーヴェリック」でトム・クルーズが着ているフライトジャケットってやっぱりただのジャケットじゃない

マーヴェリックが着るG-1フライトジャケット

Image: パラマウント・ピクチャーズ(日本版)/YouTube

G-1やCWUのフライトジャケットを着て、颯爽とバイクで駆けるトム・クルーズ演じるマーヴェリック。1作目からそのカッコ良さは変わらず、ジャケットファッションへ多大なる影響を与えてきました。今回はそんなフライトジャケットについて詳しく紹介していきます。

スポンサーリンク

マーヴェリックの趣味にもみえるフライトジャケット

劇中のマーヴェリックは基本的に私服のごとくフライトジャケットを着ています。このジャケットは単なるファッションではなく、陸軍や空軍、海軍などそれぞれに与えられる軍服でもあり、予告でも見れますが、背中などに貼られた大量のワッペンやパッチにもしっかりと意味があります。

フライトジャケットに貼られたワッペンの意味

フライトジャケット、名前の由来はその名の通りパイロットのために作られたジャケットだからです。マーヴェリックは戦闘機にのるときだけでなく、バイクで颯爽と走るシーン、バーで飲むシーンなど常に着ています。そのジャケットには胸のあたり、腕のところ、背中といろんなところに国旗や所属を意味するワッペンやらパッチやらが貼ってあります。

1作目では背中にアメリカの星条旗、日本の日の丸国旗、台湾の青天白日満地紅旗(せいてんはくじつまんちこうき)と国連の旗がワッペンで貼られていました。今作「トップガン マーヴェリック」では日本と台湾の国旗部分の比較が話題になっています。

日本と台湾の国旗部分が似た何かに変更されています。そもそもがアメリカの映画なので、それ以外はある意味フィクションのような表現に変えたということでしょうか。

フライトジャケットにつけるワッペンの意味

ぱっと見個人の好きなものをつけているようにみえますが、それぞれのワッペンやパッチには所属する部隊や階級などの意味があります。マーヴェリックがつけている特徴的なワッペンを2つほど見ていきます。

航空試験評価飛行隊31(VX-31)

航空試験評価飛行隊31(VX-31)

Image: File:Vx-31 logo.jpg/Wikipedia

ダストデビル(The Dust Devils)と呼ばれるこのマークは、航空試験評価飛行隊31(VX-31 or AIRTEVRON THREE ONE)を意味します。映画冒頭でマーヴェリックは速度マッハ10に達する最新戦闘機の飛行テストを行っていました。

アメリカ海軍戦闘機兵器学校(TOP GUN)

アメリカ海軍戦闘機兵器学校(TOP GUN)

Image: ファイル:USN FWS patch.svg/Wikipedia

アメリカ海軍戦闘機兵器学校(United States Navy Fighter Weapons School)を意味するマークで、通称TOP GUNを意味します。まさに本作の舞台を表すマークのパッチです。

トム・クルーズが着ているのはG-1とCWUフライトジャケット

トム・クルーズが劇中で着ているフライトジャケットは2種類登場します。1つ目は倉庫からマッハ10を目指したテスト飛行をする飛行場までバイクで移動するときに着ているもの。2つ目がトップガンへの招集を受けて戦闘機とバイクで並走するときに着ているジャケットです。

1つ目のジャケットの名前はG-1と呼ばれているフライトジャケットです。海軍が着用するジャケットで、メインの生地は耐久性に優れた山羊の革(ゴートレザー)で、潮風にさらされる甲板に立つときなどはムートンによるボア付きの襟を立ててネックウォーマーにできるなど考えられています。

2つ目のジャケットの名前はCWUフライトジャケットです。有名なMA-1の後継として開発されたものです。MA-1から進化した点は耐火性です。ナイロン生地だったMA-1からCWUフライトジャケットは、難燃性の繊維であるアラミド繊維(ノーメックスやノボロイド)へと変わっています。パイロットにとってより安全なフライトジャケットとなっています。

G-1が海軍用に開発されたのに対して、CWUはアメリカ陸・海・空軍および海兵隊で採用されているジャケットです。CWUにはCWU-45/PとCWU-36/Pとの2種類があり、見た目も機能もほぼ同じですが45Pの方がより暖かいジャケットになっています。

Cockpit USAが本作「トップガン マーヴェリック」でトム・クルーズが着用しているCWU-36/Pを提供しています。Cockpit USAは長年アメリカ軍へジャケットの納品実績のあるアヴィレックスの創業者であるジェフ・クレイマンが立ち上げたブランドで、G-1フライトジャケットなどの製造で知られるメーカーです。

本物を手に入れるにはユーズド品などを買うしかありません。しかしレプリカというか実際にアメリカ軍へ納品しているメーカーが一般向けにも販売しているため、そのようなメーカーから購入すれば限りなく本物に近いジャケットを手に入れることができます。おすすめは日本でも手に入れやすく実際にアメリカ軍へも納品しているアヴィレックス社製のジャケットです。特にG-1モデルのレプリカとしてはアヴィレックスのものがいいのではないでしょうか。

フライトジャケットファッションの火付け役となった「トップガン」トム・クルーズ

1作目が公開された1986年のフライトジャケットブームを体感としては知りません。しかし今のトム・クルーズの不動のスター性を考えると、当時の日本人がどれだけフライトジャケットに熱狂したか想像はできます。観て楽しむだけでなく、現実に影響を与えてしまう映画はすごいです。