Image: Youtube/(C)2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved
「TENET」にはセイター式と呼ばれる回文がコンセプトにあるとファンの間で言われています。
その回文要素の一つ、オペラハウスのシーンについて解説していきます。
※この記事は映画「TENET テネット」のネタバレを含みます。
主人公をTENETへ勧誘するテスト
オペラハウスのテロ行為への突入は主人公を試すテストでした。
テロ行為の中、突入して仲間のスパイと合流する。
時限爆弾の爆発が迫っている中、客席に設置された爆弾を集めて被害を最小限にする。
スパイだとばれて歯を抜かれるなどの拷問を受けるが、情報を漏らすことなく服毒を選択する。
目が覚めた主人公は、これらすべてがTENETのエージェントとしてふさわしいかどうかのテストだったと明かされます。
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またこのテストを通過し生き残ったのは主人公だけだったことも伝えられます。
暗躍するCIA
主人公が服毒したカプセルは、CIA製のものだという台詞が出てきます。
仲間との合言葉「黄昏に生きる(We Live in a Twilight World)」「宵に友なし(There Are No Friends at Dusk)」も恐らくCIAエージェント同士のものです。
このことからCIAもTENETについて何かしら知っており、未来の人類との関りがあると分かります。
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またセイターも主人公に対して「黄昏に生きる」を発言するシーンがあったり、カプセルを手にしているシーンがあったりとCIAとの関りを思わせる映像が出てきます。
ニールと逆行弾
オペラハウスではすでに時間の逆行が存在しており、ニールも存在しています。
主人公は地元警察に潜入がばれ、撃たれそうになったところ、壁から飛び出た銃弾により謎の男に助けられます。
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この銃弾がすでに時間の逆行が始まっていることを示しています。
謎の男はリュックに赤い紐のストラップをつけており、エンディングのシーンからニールだったことが分かります。
すでに主人公は、オペラハウスでニールと会っていることになります。
オペラハウス・シーンのあと主人公は、科学者バーバラから逆行の仕組みについて説明を受けます。
セイターとアルゴリズム
主人公がオペラハウスに突入した一番の目的はプルトニウムの回収です。
実物を目にしたときは、まったくプルトニウムに見えないので主人公も一瞬とまどっています。
のちのカーチェイスのシーンからこれがアルゴリズムであったことが分かります。
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そしてこのオペラハウスのシーンからすでにセイターとのアルゴリズムの奪い合いが始まっています。
最終決戦と同じタイミングで起きていた
エンディングまで観ると、オペラハウスのシーンとスタルスク12での最終決戦シーンとが同じタイミングで起きた出来事だと分かります。
最初と最後のシーンが同じタイミングで起きていたとは、すごい回文構造です。
映画が始まる前のワーナー・ブラザースのロゴが赤く音楽が順行、シンコピー・フィルムズのロゴが青く音楽が反転していたり。
反転した音楽はそのままオペラハウスで調律している音へとつながっていたり。
細かいところまで徹底して工夫されています。
オペラハウスのシーンには、人物や組織、モノ、その後のストーリーに関係するアイテムがすべて登場します。
印象的なシーンにしながらもすべては説明せず、映画を見終わったあとに観客が自分で考えることができる余白を持たせています。
時間が逆行するというアイデアが注目されがちですが、オペラハウスもノーランらしさが詰まったシーンです。
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