「ジョン・ウィック パラベラム」感想

今回、感想を書いていくのは映画「ジョン・ウィック パラベラム」。

お馴染みの銃撃戦あり、忍者集団との格闘ありのアクション映画です。主席連合を相手にした今作は過去二作品よりもさらにパワーアップした規模感となっています。ジョン・ウィックの過去も明かされ、人間関係もより絡み合ってくる大満足の作品です。

近年のキアヌ・リーブスの代表作といっても過言ではないジョン・ウィックシリーズの3作目。監督は同シリーズを手がけてきたチャド・スタエルスキ。

過去2作では、足を洗った伝説の殺し屋ジョン・ウィックが妻の形見を奪われた復讐から敵組織の壊滅をしてきた。前作の最後にコンチネンタルホテル内での殺し、という御法度を破ってしまったジョン・ウィック。今作パラベラムではその殺し屋組織VSジョン・ウィックという構図で殺し合いが進んでいきます。

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剣筋が刻まれるというありそうでなかった映像

まず監督のチャド・スタエルスキさんが元々スタントマンをしていて、「マトリックス」ではキアヌ・リーブスさんのスタントマンを務めたことを同シリーズ3作目にして知りました。シリーズ1作目「ジョン・ウィック」(14)にて監督デビューをしており、これまでにないアクションで話題となりました。

そんなジョン・ウィック特有のアクションは今作パラベラムでも健在です。さらに初の忍者集団が登場し、新しい挑戦もされたアクション映画となっています。

この忍者といえば、日本。日本といえば刀、という演出もジョン・ウィックならではの演出がされています。部屋のいたるところにガラスの壁が設置されていて、そこに刀が触れると刃の威力を物語るように剣筋が刻まれるというありそうでなかった映像です。

ジョン・ウィックシリーズがうまく積みあがっている

今作の見どころでもある、かつてジョン・ウィックが所属していた殺し屋組織の全貌のようなものも登場します。そしてなぜジョン・ウィックがこんなにも桁外れの強さを持っているのかヒントになる過去も少し明かされます。この辺り脚本を務めているデレク・コルスタッドさんがとてもうまい。

シリーズ1作目、2作目と、主席連合という殺し屋組織の強大さを匂わせながらもあくまでジョン・ウィック単体の話に焦点があてられていました。ただジョン・ウィックが殺しに必要な道具を揃えていくシーンでその組織の凄さが間接的に観客に伝わってくる感じ。このシーン毎回好きなんですけど。この見せ方がすごくうまいです。

そしてその組織に狙われる今作は、おもいっきりその組織のデカさを思い知らされる展開です。これまでのシリーズがうまく今回の布石になっています。

アクション映画としてのドラマを支えるための設定がすごく考えられている

組織とかの規模感に加えて、人間関係の展開のうまさも感じる脚本です。1作目こそ復讐相手とジョン・ウィックとの一騎討ちみたいなところでした。

チャプター2あたりから、聖印という絶対に破ることのできない約束による因縁の相手が登場したり、過去にジョン・ウィックと恋人関係にあったような人物が登場したり。主席連合の組織とは少し外れた組織が登場したり。その組織の親玉がローレンス・フィッシュバーンなんですけど。

今作パラベラムでもジョン・ウィックにとって助けになる聖印の相手が登場します。それがハル・ベリーだったりするんですけど。情報とか世界観を小出しにされているんですけど観ている側としてはそう感じないといいますか。

おぉ!ジョン・ウィックの世界ってまだまだこんなに引き出しあるんだ!って思わされるんですよね。アクション映画としてのドラマを支えるための設定というものがすごく考えられていると思います。

銃撃戦あり、忍者集団ありのアクションシーン

銃撃戦のアクションシーンは言うまでもなく迫力満点の映像です。YouTubeにもキアヌ・リーブスさんが訓練をしている映像があがっていたりしますけど。

ただ今作で初めて過去2作品では感じなかった違和感を感じるシーンも少しありました。忍者集団との格闘という新しいことへの挑戦や他のアクション映画だとクライマックスに相当するシーンがジョン・ウィックだと連発するので仕方ないところもあるかもしれませんが。

それでも大満足なアクション映画であることは間違いありません。