「キングスマン:ファースト・エージェント」ポリー役にはジェマ・アータートンが適任です

「キングスマン:ファースト・エージェント」のポリー役は、ジェマ・アータートンです。

彼女ははまり役です。本作でともに仕事をした監督のマシュー・ヴォーンも

She’s one of our best actresses I don’t understand why she isn’t a bigger star.

彼女は最高の女優の一人だ。なぜ彼女がもっと大きなスターにならないのか理解できない。

Gemma Arterton opens up about Kingsman: The Great Game character/Female First より引用

と、彼女の実力を認めています。

アータートンがはまり役な理由は、ポリーと共通する意志の強さです。

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役選びを宣言

アータートンは2007年に王立演劇アカデミー(Royal Academy of Dramatic Art、通称RADA)を卒業しました。その翌年「007 慰めの報酬」(2008年製作)のストロベリー・フィールズ役(ボンドガール)でスターとしてのキャリアが始まりました。

そんな彼女もいまでは、ボンドガールのような飾りだけの役は受けないと宣言しています。役選びを慎重にすることで、アータートンは自分自身を冷静に評価しています。

“I don’t know, I feel more in control now,” she says, assessing her own career.

彼女は自分のキャリアを評価して、「自分でコントロールできているような気がします。」と言った。

Gemma Arterton: ‘I feel more in control now’/TheGuardian.com より引用

彼女は自分自身が他人の評価に影響を受けやすいことを自覚しているからこそ意志を強くもっているそうです。宣言によって厄介な人というレッテルを張られましたが、いまではマシュー・ヴォーンと仕事をするまでにその姿勢は受け入れられています。

女性3人で立ち上げた「Rebel Park Productions」

アータートンは役選びなどで意志を示すだけでなく、実際に自分からも行動を起こしています。2018年、彼女とジェシカ・マリク、ジェシカ・パーカーの女性3人によって、制作会社「Rebel Park Productions」を立ち上げています。

すでに映画業界における男女不平等を題材としたショートフィルム「Leading Lady Parts」を制作し、YouTubeで無料公開されています。

Video: Comedy Short: Leading Lady Parts – BBC/BBC

男性と女性でここまで扱いが違うのか、と驚きのオーディション風景が描かれており、ジェマ・アータートンは理不尽な審査員として参加しています。

アータートンが映画業界に感じている問題がわかりやすく伝わってくる内容となっていて、MeToo運動のさりげない演出もあります。コンパクトながらインパクト大なショートフィルムです。

ジェマ・アータートンは現代のポリー

ポリーは公式サイトにて次のように説明されています。

オックスフォード家に仕える使用人でコンラッドの世話役だが、実質的には家の主人的な発言力と存在感を放つ。

『キングスマン:ファースト・エージェント』公式サイト より引用

アータートンの宣言には仕事がなくなってしまうリスクがあったはずです。しかし彼女はその意志をつらぬき、「ファースト・エージェント」のように堂々と仕事をしています。本来、プロデューサー、監督、俳優は良い作品を作るうえで対等であるべきであり、それを実現しています。

1900年代、第一次世界大戦の時代、女性の地位はいまよりもっと低かったはずです。ボンドガールのような飾りだけの役は受けないと宣言している彼女が、そんな時代設定でも出演したことに意味を感じます。

ヘンゼル&グレーテル (字幕版)
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