こんな素敵な話があるのでしょうか。
そんな気持ちになってしまいました(いい意味で)。
ウディ・アレン監督・脚本による『ミッドナイト・イン・パリ』は、第84回アカデミー賞において、脚本賞を受賞しています。
点と点が見事につながる脚本
周りからどこか浮いてしまう主人公ギル
色鮮やかなパリの街並み。
美しい婚約者。
脚本家としてはハリウッドで売れっ子。
ここまで揃っているのに主人公ギルは、周りからどこか浮いています。
理解してくれるひとがいないのってすごく疎外感を感じます。
うん。分かります。
そんなこんなで、序盤はどこか観ているこちらも居心地の悪さを感じます。
フィッツジェラルド、ヘミングウェイ、ピカソ、次々と偉人と出会う
そんなギルを受け入れてくれるのがヘミングウェイやピカソ。
作品はよく知らなくても、名前は聞いたことある芸術、文学の偉人たちです。
小説家を目指すギルにとっては、神のようなひとたち。
彼らと会話するギルはとても楽しそうです。
そりゃそうですよね。
もし自分もクリストファー・ノーランに会えたら、めちゃくちゃ興奮すると思いますもん。
ギルが自分の居場所を見つけたような感じですごく楽しそうなんですよね。
偉人たちがどんどん出てくるシーンは迫力があり、つられて興奮してしまいます。
やっぱり名作を残したひとたちって、ちょっと空気が読めないくらい芯があって、まっすぐな人たちだったのかなぁ、なんて勝手に想像を膨らませてしまいました。
真夜中のパリで起こる魔法
そんな楽しいひとときも過ぎ、ギルは日常に戻ります。
そこからのエンディングがすごく好きです。
さすが脚本賞を受賞しただけはあるな、と。
物語の冒頭であれだけ疎外感を感じていたギル。
「雨が降るパリを濡れながら散歩する」のが理想、というちょっとミーハーなギルの願望がこんな形でエンディングにつながるなんて、と思いました。
思わず、「いぃー話だなぁ~」と思ってしまいました。
まとめ
『ミッドナイト・イン・パリ』というタイトルがすごくいい味をだしてます。
ギルにとってひとりでも理解してくれる人がいることが、あんなにも幸せなことなんだと感じます。
甘すぎるラブストーリーは苦手だという方でも楽しめる映画だと思います。