エルトン・ジョンの「いたずらジャック(Jack Rabbit)」
「キングスマン:ゴールデン・サークル」のエンディングで流れる曲は、エルトン・ジョンの「いたずらジャック(Jack Rabbit)(YouTubeリンク)」です。
「ゴールデン・サークル」は全体的にカントリーミュージックで構成されています。
マーリン役マーク・ストロングが歌うカントリー・ロードしかり。
「Jack Rabbit」について調べると、この曲がエンディング主題歌に選ばれた理由がみえてきました。
そこには本人役で出演しているエルトンの曲であり、カントリーミュージックである以上のワケがあります。
エルトンにとって苦くも思い出深い1曲であると知ると、違った角度から「キングスマン:ゴールデン・サークル」を楽しめます。
エルトンの最高のパートナー、バーニー・トーピン
エルトンは長らく作詞家のバーニー・トーピンと一緒に楽曲制作をしてきました。
Image:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』/CC
「Jack Rabbit」はその友人ともいえる農場育ちであるカントリーボーイのバーニーにインスピレーションを得ています。
Real Soundによると、長年の成功の裏には二人のすれ違いの時期もあったようです。
そんなエルトンを側で見ていて、バーニーは心配だったのだろう。田舎育ちのバーニーは、欲望渦巻く音楽業界にいることに苦痛を感じ始めていた。
エルトン・ジョンと作詞家バーニー・トーピンの複雑な関係性 映画『ロケットマン』公開を機に考察/Real Sound より引用
そんな時期に製作されたアルバムが「黄昏のレンガ路(Goodbye Yellow Brick Road)」です。
音楽業界という華やかな世界に別れをつげるべきかどうか、という意味を込めたタイトルのアルバムです。
「Jack Rabbit」はこのアルバムに収録されています。
エルトンはカントリー・ミュージックもたくさん作ってきました。
Image:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』/CC
その中でも「Jack Rabbit」が選ばれた理由は、エルトンとバーニーにとっての思い出深い1曲だったからではないかと思います。
すれ違った時期もあったバーニーをエルトンが思った曲だと感じながら聴くと、キングスマンのストーリーとはまた違った角度の深みがあります。
「ロケットマン」(2019年製作)でも二人のコンビは続いています。
エルトン・ジョンは2018年、「Farewell Yellow Brick Road」が最後のワールドツアーになると発表しました。
このワールドツアーは2023年までに世界300か所を超えて行われる予定です。
バーニーと決別しそうだった頃のアルバム「Goodbye Yellow Brick Road」にかけて「Farewell Yellow Brick Road」は前向きな意味での華やかなツアーからの引退という意味だと思います。