【徹底解説】ジュラシック・パークのネドリーの末路は?死因とシェービングクリーム缶の行方を30年越しに追う

【徹底解説】ジュラシック・パークのネドリーの末路は?死因とシェービングクリーム缶の行方を30年越しに追う
お金に目がくらみシステムをシャットダウンしたネドリー。自分のしたことが彼自身を追い込んでいく。
Image: Jurassic Park Official Trailer #1 – Steven Spielberg Movie (1993) HD – YouTube

映画『ジュラシック・パーク』の物語が破綻する引き金となった、インジェン社のプログラマー、デニス・ネドリー。金のためにパークのシステムを停止させ、恐竜の胚を盗み出そうとした彼の計画と、その呆気ない結末は多くの観客の記憶に刻まれている。

彼が胚を隠すために使用したシェービングクリームの缶は、その後どうなったのか。本記事では、ネドリーというキャラクターの基本情報から悲劇的な最期、そして約30年の時を経て明かされた伏線の回収までを解説する。

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まずは基本情報:デニス・ネドリーとは何者か?

デニス・ネドリーは、ジュラシック・パークの複雑なコンピュータシステムをほぼ一人で構築した、腕利きのプログラマーである。しかし、その貢献度に反して会社からの評価は低いと感じており、金銭的な不満を募らせていた。その性格は傲慢かつ皮肉屋で、金への執着が強く、結果としてインジェン社を裏切るという大きな過ちを犯すことになる。

ネドリーはなぜ裏切った?その動機に隠されたライバル企業との取引

ネドリーの裏切りの直接的な動機は、インジェン社のライバル企業であるバイオシン社との裏取引である。物語の序盤、彼はバイオシン社のルイス・ドジスンとコスタリカのカフェで密会し、恐竜の胚を収納できる特殊なシェービングクリームの缶を受け取っていた。この計画の成功報酬として、彼は大金を手にするはずだった。

シリーズ屈指のトラウマ!ネドリーの悲惨な最期と死因を時系列で解説

パークのセキュリティを停止させたネドリーは、嵐の中ジープを走らせ東ドックへと急ぐ。しかし、道に迷い、車は泥道にはまり込んで動けなくなってしまう。

そこで彼が遭遇したのは、一見すると小型でおとなしそうな恐竜、ディロフォサウルスであった。油断したネドリーに対し、ディロフォサウルスはえり飾りを広げて威嚇し、顔面に粘性の高い猛毒を吐きかける(最近ではえり飾りもなく毒も吐かず、巨大な体格で純粋に強い捕食者だったことが明らかになっている[5])。視力を奪われ、パニックに陥った彼は車内に逃げ込むが、先回りしていたディロフォサウルスに襲われ、その生涯を終えた。

【30年越しの伏線回収】泥に消えた「シェービングクリーム缶」の驚きの行方

ネドリーが胚を盗むためにドジスンから渡されたのは、アメリカのブランド「バーバソル」社のシェービングクリーム缶を改造した特殊な装置だった[1]。ネドリーの死後、胚が入ったこの缶は混乱の最中にジープから転げ落ち、イスラ・ヌブラル島の泥の中に埋もれてしまった。

この缶の行方は長年謎とされてきたが、2022年公開のシリーズ完結編『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』で再登場する。バイオシン社のCEOとなったルイス・ドジスンの仕事部屋の棚に、恐竜の化石と共に錆びついた状態であの缶が飾られていたのだ[2]。映画では彼がどのようにして缶を回収したのかは具体的に描かれていないが、30年近い時を経て伏線が回収された瞬間であった。

この缶はスピンオフ作品でも重要なアイテムとして扱われている。ゲーム『Jurassic Park: The Game』では、泥に埋もれた缶を巡ってバイオシンとインジェンの関係者が争奪戦を繰り広げる物語が描かれた[1]

なぜネドリーは悪役なのにこんなにも愛されるのか?

彼の人気の一因は、演じた俳優ウェイン・ナイトの卓越した演技にある。監督のスティーブン・スピルバーグは、映画『氷の微笑』(1992)でナイトが見せた汗をかく演技に感銘を受け、オーディションなしで彼をネドリー役に抜擢したという[3]。ナイトはインタビューで、スピルバーグ監督に初めて会った際に「私が適任だといいのですが」と伝えたところ、「ええ、適任ですよ」と返されたと語っている。

また、劇中の彼の行動やセリフは、今なおインターネットミームとして人気を博している。特に、ドジスンと密会するシーンで、彼の稚拙な変装を見て大声で「みんな、ここにドジスンがいるぞ!」と叫ぶ場面は象徴的である。彼の計画のいい加減さや人間臭い失敗が、単なる悪役では終わらない魅力となっている。

もっと知りたい!ネドリーに関する豆知識

演じた俳優:ウェイン・ナイト

彼はスピルバーグ監督に直接キャスティングされた。撮影初日、ハワイのカウアイ島で初めてスピルバーグに会い、挨拶を交わした[3]。ナイト自身は、『ジュラシック・パーク』が3Dで再公開(2013)されることについて、「顔に唾を吐きかけられるシーンを3Dで追体験できる」とジョークを交えて語っている[4]

まとめ:ネドリーは物語に不可欠な最高のトリックスターだった

デニス・ネドリーは、金銭欲からシステムを破綻させ、自らも悲惨な最期を遂げた。しかし、彼の裏切り行為がなければ、ジュラシック・パークの惨劇は始まらなかった。彼は物語の歯車を大きく動かす「トリックスター」として不可欠な存在であり、その人間臭いキャラクターと印象的な最期によって、今なお世界中のファンから愛され続ける強烈なインパクトを残したといえるだろう。

参考資料:

  1. バーバソル缶 | ジュラシック・パーク Wiki | Fandom 2025年10月3日閲覧
  2. 【ネタバレ】気づいた?『ジュラシック・ワールド』完結編、1作目への胸熱オマージュ&小ネタ|シネマトゥデイ 2025年10月3日閲覧
  3. 『ジュラシック・パーク』の俳優ウェイン・ナイトが語る…|スティーブン・スピルバーグ監督より 2025年10月3日閲覧
  4. Red Carpet Talk – Wayne Knight talks about Jurassic Park in 3D, Seinfeld and The Exes – YouTube 2025年10月3日閲覧
  5. 『ジュラシック・パーク』で大活躍の恐竜、本当はこんな姿だった | ナショナル ジオグラフィック日本版サイト 2025年10月4日閲覧