Image:Paramount Pictures UK/YouTube
毎回トム・クルーズがどんなスタントに挑戦するのか話題の『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』。本作の魅力はトム・クルーズの命知らずなスタントだけではない。イーサン・ハントを中心に編成されたIMFチーム、彼らの背負う過去や使命感、そして複雑に絡み合う人間関係が、物語に深みと緊張感をもたらしている。
キャスト(登場人物)紹介:本作から「チーム戦」が本格化
前作『M:i:III』から意識され始めた、イーサン単独ではなくチーム戦も今作でより本格化しており、チームメンバーのキャストが担う役割も重要になっている。魅力的なミッションにするためには魅力的な敵も欠かせない。シリーズを追うごとに敵を演じるキャストも注目ポイントが上がっている。
主要メンバー
トム・クルーズ(イーサン・ハント)
Image:Mission Impossible/YouTube
IMFのトップエージェント。過去に妻ジュリアとの別離を経験し、内面に複雑な思いを抱えている。今作では個人任務ではなく、仲間とのチームワークが鍵となる。
演じるトム・クルーズは今作でもドバイにある世界一高いビル「ブルジュ・ハリファ」でのクライミングというとんでもないスタントを披露している。(関連記事:「映画『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』のあらすじと見どころ|アニメーターでもある監督の演出力」)
ジェレミー・レナー(ウィリアム・ブラント)
Image:Paramount Pictures UK/YouTube
IMF長官側近の分析官として登場するが、実は高度な戦闘能力を持つ元フィールドエージェント。イーサンの過去に関わる秘密を抱えており、彼との間に緊張関係が生まれる。
サイモン・ペッグ(ベンジー・ダン)
Image:Mission Impossible/YouTube
IMFの技術系エージェント。試験に合格し本作が現場任務初参加となり、戸惑いや興奮が入り混じるリアクションが観客に親近感を与える。コミカルな役割も担いつつ、技術力と機転で大活躍。
ブラッド・バード監督からは前作での出演はわずかながらその存在感を認められており、本作では前作よりも重要な登場人物となる。
ポーラ・パットン(ジェーン・カーター)
Image:Paramount Pictures UK/YouTube
大胆でパワフルな女性エージェント。前任者、トレヴァー・ハナウェイ(演ジョシュ・ホロウェイ)を任務中に殺し屋に殺され、復讐と責任感のはざまで揺れる。任務への真摯さと情熱がにじみ出る中堅的存在。
敵キャラ&サブキャラ
ミカエル・ニクヴィスト(〈コバルト〉カート・ヘンドリクス)
Image:Mission Impossible/YouTube
世界をリセットしようとする狂信的な科学者。核戦争による人類の進化を信じ、表面上は冷静沈着だが、根底には恐ろしいまでのイデオロギーを秘めている。(関連記事:「『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』の敵コバルトとは何者か?」)
レア・セドゥ(サビーヌ・モロー)
Image:Paramount Pictures UK/YouTube
美しき殺し屋。冷酷かつ職務に忠実で、無感情な態度が彼女のプロフェッショナルさを際立たせる。登場シーンは少ないが、強烈な印象を残す。
ウラジミール・マシコフ(アナトリー・シディロフ捜査官)
Image:Paramount Pictures UK/YouTube
ロシア諜報機関の捜査官。クレムリン爆破事件を受け、イーサンたちを執拗に追跡する。対立関係にありながらも、ある場面では人間味をのぞかせる。
トム・ウィルキンソン(IMF長官)
Image:Mission Impossible/YouTube
IMFの指揮官としてイーサンたちに指令を出す役割。登場は短いが、物語の転換点となる重要なキャラクター。
アニル・カプール(ブリッジ・ナス)
Image:Mission Impossible/YouTube
インドのメディア王で情報インフラを握る人物。スパイチームが重要な情報を引き出すために接触するターゲット。予想外の展開を呼ぶ存在でもある。
イワン・シュヴェドフ(レオニド・ライセンカー)
ロシアの核ミサイル発射システムに精通する元軍事関係者。暗号化された発射コードの解読に欠かせない人物で、家族を人質にとられたことによりヘンドリクスに協力する。ライサンカーの家族も守るためイーサンが隙をみせる弱点となってしまう。
ミラジ・グルビッチ(ボグダン)
イーサンが刑務所脱出時に接触する情報提供者。クセのある性格だが、有力な人脈を持っており、物語中盤の鍵を握る人物。
イリア・ヴォロック(ザ・フォッグ)
ボグダンがイーサンに紹介した武器商人。見失ったヘンドリクスを追うための手掛かりをくれる。
登場人物の関係性
チームメンバー(ブラント、カーター、ベンジー)
彼らは、政府からの支援がない状況で、互いに協力し、それぞれのスキルを活かしながらミッションを遂行することになる。信頼関係を築きながら、困難な状況を乗り越えていくチームのダイナミクスが描かれる。特に、本作で初めてチームに加わるブラントとカーターは、イーサンとの間に新たな信頼関係を構築していく過程が重要になる。
サビーヌ・モロー
彼らは敵対関係にあり、核兵器の起爆装置を巡って激しい攻防を繰り広げる。モローはイーサンのミッションを妨害する大きな障害となる。
コバルト(カート・ヘンドリクス)
ヘンドリクスは、イーサンが阻止しなければならない核戦争を引き起こそうとする黒幕。イーサンは、チームと共にヘンドリクスの野望を阻止するために戦う。
イーサンとジュリアの関係性:任務と愛の狭間で
愛する人を守るための決断
イーサンは『M:i:III』で結婚したジュリア(ミシェル・モナハン)を守るために、自身の命よりも彼女の安全を優先する決断を下した。本作『ゴースト・プロトコル』では彼女を守るためにあえて距離を置いたことが暗示されている。
表に出ない存在感
ジュリアは本作では直接的な活躍こそないが、その存在はイーサンの行動の根底に影響を与えている。彼の背後にある「守るべきもの」があることが、行動のモチベーションとなっている点が重要である。
ブラントとの繋がり
ブラントがジュリアの任務に関与していたというある過去が明かされ、イーサンとの間に緊張感を生んでいる。
キャストが語る舞台裏と役づくり
I’ve been thinking about this shot for 15 years!
Mission Impossible 4: How Tom Cruise Did The Burj Khalifa Stuntより引用
[15年間このショットについて考えていた]
トム・クルーズは、ブルジュ・ハリファでの命がけのスタントを15年間温めていたと語っている。その情熱は本作のアクションシーンに結実している。
ジェレミー・レナーは、当時「次期イーサン役」の候補とも噂され、製作陣はシリーズ継続の選択肢として彼を起用したと言われている。しかしレナー本人がその噂をHappy Sad Confusedのインタビューできっぱりと否定している。
No, it’s always Tom’s show, and I think that that would be a Tom decision if you ever wanted to change that narrative, right?
Jeremy Renner talks accident, AVENGERS return, MAYOR OF KINGSTOWN I Happy Sad Confused – YouTubeより引用
[いや、いつもトムのショーだし、もしその物語を変えたくなったら、それはトムが決めることだと思うよ。]
レナーは「トム・クルーズは誰よりも懸命に働き、インスピレーションを与えてくれる存在だ」とも語っており、再び共演できる機会を楽しみにしていると答えている。
サイモン・ペッグは「フィールドエージェントとしての成長を意識した」と語り、ベンジーの進化が描かれるよう工夫を凝らした。ペッグはMen’s Healthに次のように答えている。
In that edit, I lose about 20 pounds
Simon Pegg Shares How Working With Tom Cruise Changed His Fitness Routineより引用
[あの編集で、体重が20ポンド(約9キロ)減りました]
実はイーサンとベンジーが赤の広場を歩いているシーンからクレムリン内部のシーンに代わる間に9キロもの減量が行われていることを明かした。ミッション:インポッシブルシリーズに関わることでペッグの人生に物理的に変化が訪れている。
キャストの魅力で映画がさらに面白くなる!
『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』は華やかなスパイアクションに留まらず、登場人物たちの葛藤や信念が濃密に描かれている作品。キャストの背景や舞台裏を知ることで、より没入感のある鑑賞体験となるでしょう。