なぜギルは黄金時代に残らなかったのか|映画『ミッドナイト・イン・パリ』解説

ミッドナイト・イン・パリ(2012/上映時間94分)

一人悩む小説家志望のギル。

真夜中のパリをふらつくうちに辿り着いたのはギルにとって黄金時代1920年代のパリ。

映画のラストでは、ギルは現在のパリに住み、小説を執筆する決意をします。

なぜギルは、黄金時代にそのまま残らなかったのでしょうか。

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過去は過去、今は今、ギルはギル

ウディ・アレン監督が伝えたいこと

ギルは過去への憧れは幻想だと気が付きます。


過去へとタイムスリップし、フィッツジェラルドやヘミングウェイ、ピカソなどギルにとって神のような偉人たちと交流します。


その中で憧れの過去とのふれあいに興奮しながらも、抗菌剤がないことなど些細な不安を夢に見ます。

また、1920年代からさらに1890年代へとタイムスリップした際には、ゴーギャンがさらに昔のルネサンス期への憧れを口にする姿を見ます。


ギルは不満があるのが人生であり、過去への憧れは幻想であると気が付きます。


結局その時代で苦しんで生まれた芸術だからこそ残されていく。

現代に残る作品はその時代に、その時代のひとが生み出したからこそ名作になる。


そのことに気が付いたギルは、自分の時代に戻り自分の人生を生きることを決意します。

まとめ

『ミッドナイト・イン・パリ』はアカデミー賞脚本賞受賞だけあり、ストーリー展開がとても楽しめる映画です。