Imae: The Bride! | Official Teaser – YouTube 孤独なフランケンシュタインはユーフロニオス博士とともに「ブライド(花嫁)」を誕生させる。
俳優マギー・ギレンホールが監督を務める長編映画2作目『The Bride!』の予告編が公開された。本作は、ジェームズ・ホエール監督の古典ホラー『フランケンシュタインの花嫁』(1935)から着想を得ている。この古典作品もまた、数多くの創作の源泉となってきたメアリー・シェリーによるゴシック小説『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』(1818)を原作としている。
1930年代のシカゴを舞台にした、新たな「怪物」の物語
物語の舞台は1930年代のシカゴ。孤独なフランケンシュタイン(クリスチャン・ベール)は、ユーフロニオス博士の力を借り、殺害された若い女性を「ブライド(花嫁)」(ジェシー・バックリー)として蘇生させる。
蘇ったブライドは「事故の前も、私は同じだったの?」と問う。それに対しフランケンシュタインは「事故なんてなかった。私たちがしたことは…すべてわざとだった。今、できることは…生きるだけだ」と告げる。
予告編では、ふたりに絡むチンピラをフランケンシュタインが容赦なく打ちのめすシーンや、「死がふたりを分かつまで」という、教会での誓いを彷彿とさせるセリフが登場する。これは、二人の愛が暴力と隣り合わせにあることを強く予感させる。原作の小説では創造主が「フランケンシュタイン博士」で、彼が生み出した存在が「怪物」だが、本作では怪物の名がフランケンシュタインとして描かれているようだ。
クリスチャン・ベールとジェシー・バックリーの再タッグ
フランケンシュタインを演じるのは、『ダークナイト・トリロジー』(2005~2012)のバットマンを演じたクリスチャン・ベール。そしてブライド役にはジェシー・バックリーが抜擢された。バックリーは、ギレンホールの監督デビュー作であるNetflix映画『ロスト・ドーター』(2021)で主人公の若き日を演じ、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされるなど、その演技力が高く評価されている。
共演者にはペネロペ・クルス、アネット・ベニング、ジュリアン・ハフらが名を連ねるほか、ギレンホールの夫であるピーター・サースガードと、弟のジェイク・ギレンホールも出演しており、まさに家族ぐるみの製作体制となっている。
監督が明かす、意外な制作のきっかけ
ギレンホール監督は、本作の着想を得た意外なきっかけをColliderのインタビューで明かしている。
あるパーティーで腕に『フランケンシュタインの花嫁』のタトゥーを入れている男性を見かけました。それを見て心を奪われ、家に帰って映画を観ました。
出典:“It’s Like Bonnie and Clyde”: Maggie Gyllenhaal’s Bride of Frankenstein Movie Gets Thrilling First Look at CinemaCon 2025年9月25日閲覧
オリジナルの映画で花嫁が登場するのは、わずか3分間。しかも一言も発しない。しかし、ギレンホールはその短い登場シーンに「どこか反抗的なところ」を見出し、それが「私に考えさせた」と語る。そのインスピレーションが、恐ろしいだけでなく、ヒーローでもあるという、新しい花嫁像の創造へと繋がったのだ。
ブライドを演じるバックリーは、ギレンホールの脚本を読んだ時の衝撃を「史上最高にパンクな愛」と表現し、「まるで『俺たちに明日はない(原題:Bonnie and Clyde)』(1967)や『ワイルド・アット・ハート』(1990)の登場人物たちのよう」だと語っている。
公開情報
『The Bride!』は、当初Netflixでの企画が進んでいたが、代わりにワーナー・ブラザースが製作をつとめることになった。2026年3月4日より全世界で劇場公開され、北米では3月6日からIMAXを含むスクリーンで公開予定だ。
参考資料:
“It’s Like Bonnie and Clyde”: Maggie Gyllenhaal’s Bride of Frankenstein Movie Gets Thrilling First Look at CinemaCon 2025年9月25日閲覧
Watch ‘The Bride!’ Trailer for Maggie Gyllenhaal Frankenstein Movie 2025年9月25日閲覧