
映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』で鮮烈なデビューを飾り、多くのファンを魅了した新キャラクター「ホワイト・ウィドウ」。彼女は一体何者なのか? イーサン・ハントにとって敵なのか、味方なのか?
この記事では、彼女の正体、初代『M:I』との驚くべき繋がり、そしてキャラクターの魅力まで、あらゆる謎に迫ります。
記憶に残る、ホワイト・ウィドウの象徴的な登場シーン
ホワイト・ウィドウの魅力を語る上で欠かせないのが、印象的な登場シーン。
- パーティでの初登場: パリのグラン・パレでのパーティで白いドレスを纏い、大衆を前にチャリティについて語る。しかしその裏では、イーサンと危険なプルトニウムの取引をもちかける。
- 鮮やかなナイフ捌き: 暗殺者を一瞬で制圧するナイフシーンは、彼女の美しさの裏に隠された戦闘能力の高さを観客に強烈に印象付けた。
これらのシーンが、彼女が単なる仲介役ではなく、危険な実力者であることを示している。
圧倒的な存在感を放つ俳優、ヴァネッサ・カービー
このミステリアスなキャラクターに命を吹き込んだのが、俳優のヴァネッサ・カービー。演じたカービーは、ホワイト・ウィドウの役を次のように説明している。
all I knew was that she runs she would rent run this like underground criminal network that she was probably even s where goes daughter and that she’d be meeting Tom in some ways
Mission Impossible Fallout Cast Interviews – Henry Cavill, Simon Pegg, Vanessa Kirby – YouTubeより引用
[私が知っていたのは、彼女がこの地下犯罪ネットワークを運営し、おそらく娘も運営し、トムと何らかの形で会うだろうということだけでした。]
またカービーはウィドウを、ナレーターとも表現している。イルサやベンジーなどイーサンを中心としたキャラクター構成に、新たな波乱をもたらす存在として、この役に臨んだことが伺える。
その正体と、シリーズ1作目との衝撃的なつながり

では、彼女は一体何者なのか。
ホワイト・ウィドウの正体は、本名をアラナ・ミッツォポリスという闇ブローカー。特定の組織に属さず、常に自身の利益を最優先に行動するため、敵か味方か一言では言い表せない中立的な存在だ。
そして、シリーズファンにとって最大のサプライズが、彼女の出自に隠されていた。
実は、ホワイト・ウィドウはシリーズ1作目『ミッション:インポッシブル』(1996)に登場した伝説の武器商人「マックス」の娘なのだ。
マックスは1作目でイーサンを翻弄した重要人物。この繋がりは単なるファンサービスではない。クリストファー・マッカリー監督は、このマックスとのつながりは意図したものであることを明かしている。
the one intentional callback you nailed the one The Max, yeah.
EXCLUSIVE INTERVIEW: ‘Mission: Impossible – Fallout’ Director Christoper McQuarrie (SPOILERS) – YouTubeより引用
[あなたが指摘したコールバックは、マックス、そう。]
かつてイーサンがマックスを捕まえたという過去の出来事が、今作でマックスの娘という形でイーサンの目の前に「フォールアウト(fallout = 予期せぬ悪い結果として現れる)」するという、作品のタイトルにまでかかる深い意図が込められている。この親子関係から、ホワイト・ウィドウというキャラクターに更なる深みが感じられる。
ホワイト・ウィドウの二面性
ホワイト・ウィドウは、そのミステリアスな立場と初代からのつながり、そしてヴァネッサ・カービーの圧倒的な存在感によって、シリーズに欠かせないキャラクターとなった。
彼女の名前「ウィドウ(Widow)」もまた示唆的だ。これは「未亡人」という意味ではなく、本作では「クモ」を意味する単語だが、交尾後に雄を捕食する習性で知られる蜘蛛「ブラックウィドウ(クロゴケグモ)」を連想させる。この名前は、彼女がイーサンを愛する存在にも、破滅させる危険な存在にもなり得る二面性を暗示しているのかもしれない。