「トップガン」を盛り上げるオープニング、エンディング曲

「トップガン」オープニング、エンディング曲

Image: パラマウント・ピクチャーズ(日本版)/YouTube

1986年に公開された映画「トップガン」は、主人公マーヴェリックを演じるトム・クルーズたちのエネルギー溢れるストーリーだけでなく、サウンドトラックがアメリカ・ビルボード200で1位になるなど音楽も大人気の映画です。

サントラの中からオープニング曲とエンディング曲に絞ってご紹介します。

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「トップガン」のOP、ED曲

「トップガン」の楽曲の凄さは、サウンドトラックアルバムがビルボードチャート1位になるだけでなく、そのサントラに含まれるそれぞれの曲もチャートにランクインしているところです。

オープニング曲

オープニングでは2曲続けて登場します。1曲目はテーマ曲ともいえる「Top Gun Anthem」です。2曲目は主題歌ともいえる、「トップガン」を知らなくてもこの曲は聴いたことがあるという方も多い「Danger Zone(デンジャー・ゾーン)」です。

Top Gun Anthem(トップガン・アンセム)

オープニングのキャスト・スタッフクレジットで流れる曲は「Top Gun Anthem」です。「トップガン」のテーマ曲でもあります。劇中では後半、任務完了しマーヴェリックたちが母艦に帰還するときにもながれています。

ドイツの映画音楽作曲家ハロルド・フォルターメイヤーが制作し、ギターをギタリストのスティーヴ・スティーヴンス、ピアノをハロルド・フォルターメイヤーが演奏しています。

タイトルにあるアンセムには、賛歌や祝いの歌といった意味があります。「トップガンのパイロットたちのための曲」といった意味合いでしょうか。

Danger Zone(デンジャー・ゾーン)

続いて離陸準備をしている飛行機とともに流れるのは「Danger Zone」。アメリカのミュージシャン、ケニー・ロギンスによる楽曲です。映画公開1か月後には、ビルボードチャート2位にランクインするほどの人気曲となりました。「トップガン」を知らなくても、なんとなく聞き覚えがあるくらい有名な曲だと思います。主題歌といっても過言ではないくらい印象の強い楽曲です。

音楽プロデューサーのジョルジオ・モロダーが作曲し、ソングライターのトム・ホイットロックが作詞を担当した楽曲です。ジョルジオ・モロダーは他にはダフト・パンクや、日本だと松田聖子のアルバム「Seiko」(1990)に参加していたりします。

「Danger Zone」はいまでは、躍動感や臨場感を演出する代表曲ともいえます。

エンディング曲

「トップガン」のエンディングでは、2曲流れています。1曲目は「You’ve Lost That Lovin’ Feelin’」、2曲目は「Mighty Wings」です。

You’ve Lost That Lovin’ Feelin’(ふられた気持)

ストーリーのエンディングで、女性がコインをジュークボックスに入れて流れる曲は「You’ve Lost That Lovin’ Feelin’(ふられた気持)」(1964)です。作曲家のバリー・マン、作詞家のシンシア・ワイル、音楽プロデューサーのフィル・スペクターが作詞・作曲し、歌っているのはライチャス・ブラザーズです。曲自体がリリースされたのは1964年なので、「トップガン」公開よりも22年も前の曲になります。リリース当時からビルボードチャートで1位にランクインする人気曲です。

他にも1999年にアメリカ放送音楽協会から発表された「20世紀にアメリカのテレビやラジオで最もオンエアされた100曲(Top 100 Songs of the Century)」では、800万回以上のオンエアで1位となっています。

ライチャス・ブラザーズは、ビル・メドレーとボビー・ハットフィールドの2人からなるデュオ。1960年代にヒット曲を作り、2003年にはロックの殿堂入りをしています。他には陶芸シーンで有名な映画「ゴースト/ニューヨークの幻」(1990)のテーマ曲「アンチェインド・メロディ」(1955)もリリースしています。

「You’ve Lost That Lovin’ Feelin’」は初めはトム・クルーズ演じるマーヴェリックがチャーリーをバーで口説くために歌っていました。しかしエンディングではチャーリーがジュークボックスからマーヴェリックに向けて流している曲です。「ふられた気持ち」という歌で二人の絆を結ぶことに、ストーリーでも描かれた関係性が凝縮されている気がします。

Mighty Wings

続いてエンドロールで流れる曲は「Mighty Wings」(1986)です。歌っているのはアメリカのロックバンド、チープ・トリック。作詞・作曲は映画音楽作曲家のハロルド・フォルターメイヤーと、ソングライターのマーク・スピロが担当しています。ミラマー海軍航空基地での最初の訓練での挿入歌としても流れています。

チープ・トリックもまた2016年にロックの殿堂入りをしているバンドです。代表曲には「I Want You to Want Me(甘い罠)」(1977)や、「The Flame(永遠の愛の炎)」(1988)があります。

Mighty Wingsは直訳すると「強大な翼」です。「Danger Zone」のようにビルボードチャートにランクインこそしていませんが、マーヴェリックらトップガンの訓練生たちの力強さをイメージさせるエンディング曲となっています。

ストーリーを曲が盛り上げる

マーヴェリックたちエリートパイロットの青春を描いた「トップガン」。この映画の人気は、ストーリーにぴったりな曲があったからこそだと思います。