原作出版前から映画化へとライアン・ゴズリング自ら動いた映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』

Image: Project Hail Mary – Official Trailer – YouTube 2026年3月13日参照

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の映画化は、パンデミックという絶望的な時代に「子どもたちに希望と協力のメッセージを伝える『一生の思い出』となる映画を作りたい」というライアン・ゴズリングの強い熱意から始まり、その思いに共鳴したトップクリエイターたちが集結した。

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ライアン・ゴズリングは出版前に原稿を読んでいた

アンディは作品を通して、人間は常に不可能を可能にする存在だということを私たちに思い出させてくれる。それが人間の本質なんです。

主演・製作ライアン・ゴズリングRyan Gosling Says ‘Project Hail Mary’ Is The Kind Of Movie He Wants His Kids To Grow Up Withより引用 2026年3月13日閲覧

ゴズリングが原作者のアンディ・ウィアーから出版前の原稿を受け取ったのは、新型コロナウイルスの影響で映画製作や映画館が閉鎖され、世界中が先が見えず希望をもてない時期だった。

近年、ディストピアを描く未来の物語が溢れるなかで、この作品が持つ「人間は常に不可能を可能にしてきた」「諦めなければ奇跡は起こりうる」という圧倒的な希望のメッセージに彼は強く惹かれた。

ゴズリングは二人の娘の父親として、家族で一緒に映画館へ観に行き、人生の基盤となるような『E.T.』(1982)や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)に匹敵する映画を作りたいと強く願っていた。本作を作ることで、自分の子供たち、そして次世代の子供たちに「人は自分が思っている以上の力を持っている」というポジティブな視点を伝えようとしている。

10才のエリオットとひとり取り残された異星人E.T.との交流を描いたスピルバーグ監督による映画『E.T.』
Image: ET The Extra Terrestrial (1982) Official 20th Anniversary Trailer Movie HD – YouTube 2026年3月13日参照
マイケル・J・フォックス演じるマーティとクリストファー・ロイド演じるドクはまるで年の離れた親友のよう ロバート・ゼメキス監督による映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
Image: Back To The Future (1985) Theatrical Trailer – Michael J. Fox Movie HD – YouTube 2026年3月13日参照

ライアンは、ここ数本の映画で感情表現や演技が許されない役ばかり演じてきた

原作者アンディ・ウィアーAndy Weir’s ‘Project Hail Mary’ – A conversation with science-fiction author, Andy Weir – YouTubeより引用 2026年3月13日閲覧

ゴズリングは近年『ブレードランナー 2049』(2017)のように感情を抑えたストイックな役が続いていた。本作の主人公ライランド・グレースは感情表現が豊かだ。

フィリップ・K・ディックによるSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を原作の映画化『ブレードランナー』の続編『ブレードランナー 2049』
Image: BLADE RUNNER 2049 – Official Trailer – YouTube 2026年3月13日閲覧

グレースは『アルマゲドン』(1998)のハリーや『オデッセイ』(2015)のワトニーのような勇敢さはなく、自分がヒーローだというつもりもない。普通の「中学校の理科教師」だ。

ゴズリングはグレースが宇宙でパニックになりながらも必死に問題を解決していく姿に深く共感し、俳優としてもこの役を演じることに大きな魅力を感じた。

映画化のため自ら動いたライアン・ゴズリング

これを受け取ったことは、まるで「ヘイルメアリー」のようなものでした。なぜなら、この映画を作るのはほとんど不可能だったからです。

主演・製作ライアン・ゴズリングRyan Gosling Says ‘Project Hail Mary’ Is The Kind Of Movie He Wants His Kids To Grow Up Withより引用 2026年3月13日閲覧

ゴズリングはこの作品を映画化するには「最高のチーム」が必要だと直感し、自らプロデューサーとして動いた。ゴズリングが真っ先に電話をかけたのが『スパイダーマン スパイダーバース』(2018)などで知られる名プロデューサーのエイミー・パスカル。

「確かにSFです」とパスカルは言う。「でも“信頼”の話でもある。人への信頼、協力しあうことへの信頼。…」

製作エイミー・パスカル映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』公式: 「「プロジェクト・ヘイル・メアリー」は、いかにして映画化に至ったのか?メディアミックスの裏側」 / Xより引用 2026年3月13日閲覧

彼女もまたウィアーの原稿を読んでおり、「これはSFの形を借りた『他者への信頼』と『協力』の物語である」とゴズリングと同じ本質を見抜き、プロデューサーとして正式に加わった。

パスカルとゴズリングは、この作品に必要な「ユーモアと危険、スケール感と温かさ」という緻密なバランスを取り、エモーショナルな魂を見失わない映画作家は「フィル・ロードとクリストファー・ミラーしかいない」と二人を監督に抜擢した。

ロードとミラーは『LEGO(R) ムービー』(2014)、『スパイダーマン スパイダーバース』と新たな解釈で作品を描くことを得意とし、本作でも「物事が不可能に見える時代に、人が集まったときに何が可能になるかを描く」というビジョンをもっている。

脚本にはウィアーのデビュー作『オデッセイ』を映画化で大成功に導いたドリュー・ゴダードが加わり、ウィアー自身もプロデューサーとして名を連ねた。

ウィアーは現場でも「グレースの頭の中で何が起きているか」について毎日話し合い、ゴズリングの起用を大歓迎した。

本作はライアン・ゴズリングの作品への深い愛と親としての願いが着火点となり、その熱意に引き寄せられた一流のクリエイターたちが「不可能を可能にするミッション」のために集結した。

映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は2026年3月20日に日米同時公開。