Image: The Super Mario Galaxy Movie – Official Title Announcement – YouTube 2026年3月26日閲覧 続編『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』が2026年4月24日に公開される
『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』の公開が目前に迫っている。イルミネーションと任天堂の強力な信頼関係は、前作『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』からはじまった。
この記事では、前作の成功の鍵となった制作体制や、宮本茂氏がこだわったポイントを詳しく解説する。
過去の失敗から学んだ「原作者への深いリスペクト」
Image: 伝説の実写版がリバイバル!映画『スーパーマリオ/魔界帝国の女神』4Kレストア版予告編 – YouTube 2026年3月26日閲覧 映画『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』主演したボブ・ホスキンスが辛らつに批判してしまうほどの出来だったが、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』公開により再注目された
イルミネーションのクリス・メレダンドリは、1993年の実写版映画『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』の失敗を自分たちにとっては好意的に受け止めている。
最初から素晴らしい出来だった映画を、ただ別のバージョンを作るよりも、その方がずっと刺激的で価値があると思う
イルミネーション クリス・メレダンドリInside the ‘Super Mario Bros.’ Movie, Animated Pharrell Williams Filmより引用 2026年3月26日
この映画が失敗した最大の要因を「映画の制作者がゲームの生みの親を関与させなかったこと」だと分析している。
この教訓から、彼はマリオの生みの親である宮本茂を映画制作の「中心」に据えるというアプローチをとった。イルミネーションはマリオという存在がファンにとって何が大切なのか見失わなかった。
現場レベルにまで浸透する「オープンな制作環境と信頼関係」
Image: 『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』セカンド予告(吹替版) – YouTube 2026年3月26日閲覧 マリオの生みの親、宮本茂により実現したキャラクターの細かな動きは『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』にマリオらしさを生んだ
だいたいは、「私に任せればメディアスタジオとあの監督と、あの脚本家を連れてきて、あなたの作品をハリウッドで大成功する映画にしてみせる」みたいなプレゼンが多いわけです。
任天堂 宮本茂マリオ映画公開記念!宮本茂さんインタビュー 制作の始まりから驚きの設定まで – Nintendo DREAM WEBより引用 2026年3月26日閲覧
メレダンドリは過去の宮本のインタビューなどの資料をまとめたものを持参し、共感するところを熱く語ってきたという。宮本とメレダンドリの間には、失敗や懸念を素直に語り合える深い信頼関係がある。
この信頼関係は現場にも波及しており、宮本はうっとうしがられることを承知しながらも細かい注文をイルミネーションへと出した。
たとえば、ルイージがマリオを追いかけて、建物から出るシーンがあるとするじゃないですか。ドアを開けっぱなしで行くんで、(遠慮がちに)ルイージは閉めてほしい…って(笑)。
宮本マリオ映画公開記念!宮本茂さんインタビュー 制作の始まりから驚きの設定まで – Nintendo DREAM WEBより引用 2026年3月26日閲覧
そんな演出を入れる余裕はもうどこにもないと断られながらも、次に確認するときにはちゃんとシーンに盛り込まれていたという。マリオがマリオらしく出来上がっている理由だ。イルミネーションの監督陣は嫌がるどころか「この仕事を続けたい」といっていると聞き、宮本もその言葉に救われたという。
ゲームのプロと映画のプロによる「強みの相乗効果」
映画化にあたり宮本はシンプルな脚本からスタートすることを大切にした。
できるだけ任天堂タレント事務所のメンバーで固めて、そこにいる人たちで作れるお話を仕上げていくという方針でいきました。
宮本マリオ映画公開記念!宮本茂さんインタビュー 制作の始まりから驚きの設定まで – ページ 2 – Nintendo DREAM WEBより引用 2026年3月26日閲覧
任天堂は自社を「タレント事務所」に見立て、キャラクターの魅力を守り育てることに注力している。任天堂側が結成した「映画プロジェクトチーム」は、「ヒップドロップ」や「クッパの投げられ方」といったゲーム特有のキャラクターアクションのノウハウをイルミネーションに提供した。
イルミネーションは、そのノウハウを受け取り、彼らが持つ世界トップクラスの映画制作力を駆使して、マリオの世界を長編映画としてスケールアップさせた。
これにより、コアなマリオファンを納得させつつ、ゲーム未経験の新規層をも魅了するという難しい目標を達成した。
任天堂の「クリエイティブな主導権」をイルミネーションが許容
任天堂は、ゲーム機を持たない大勢の人にも知的財産であるキャラクターを届けるためにIPを育てていくという方針を持っている。
それで、モバイルアプリはやろう、映画はやろう、ということがスタートし始めたんですね。それがもう、十数年以上前のことになります。
宮本マリオ映画公開記念!宮本茂さんインタビュー 制作の始まりから驚きの設定まで – Nintendo DREAM WEBより引用 2026年3月26日閲覧
もともとはキャラクターに好みの食べ物や家族はだれでとか細かな設定をしたくなかった。今後のゲーム作りを縛ってしまうと考えた。しかしゲームをしない人へも任天堂のキャラクターを広げるための決断をした。
その一環として、映画の日本語版台本を英語版の単なる直訳で済ませるのではなく、日本の観客に自然に受け入れられるように独立して自ら制作するなど、クリエイティブの主導権をしっかりと握っている。
ハリウッドの巨大スタジオでありながら、任天堂にここまでの主導権とローカライズの自由を許容していること自体が、イルミネーション側の任天堂に対する「絶対的な信頼」の証だ。
新作『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』でも、こうした細かなこだわりが散りばめられているに違いない。







