
20年以上もの歳月を経て、ついに我々の前に姿を現す『28年後…』。これは単なる一本の映画ではない。ジャンルを再定義し、映画史にその名を刻んだ伝説の、正当なる”帰還”だ。だが、その内容は厚いベールに包まれ、ファンの間では期待と憶測が渦巻いている。
なぜ、本作はこれほどまでに我々を惹きつけるのか? 主演キリアン・マーフィー演じるジムは、一体どのような形で物語に帰ってくるのか? そして、まことしやかに囁かれる「新三部作」構想の正体とは?
この記事は、断片的な情報をつなぎ合わせ、その核心に迫るための招待状だ。さあ、一緒にこの壮大な謎を解き明かしていこうではないか。
この記事でわかること
- なぜ本作が「伝説の復活」と呼ばれるのか
- 衝撃の事実!キリアン・マーフィーは本作に出演しない?その真意とは
- 壮大な「新三部作」構想の全貌
- 『28年後…』を劇場で観るべき3つの理由
伝説の復活―ダニー・ボイルとアレックス・ガーランドの帰還が意味するもの
まず、我々が理解すべき最も重要な事実。それは、本作が『28日後…』を生み出した”オリジン”、すなわち監督ダニー・ボイルと脚本アレックス・ガーランドの完全タッグによって創り上げられているという点だ。
2002年、彼らが世に放った『28日後…』は、ホラー映画界に革命を起こした。誰もが「歩く」ものだと信じていた”ヤツら”を、凄まじいスピードで「走らせた」のだ。この一点だけでも、彼らがどれほど既存の概念を破壊し、新たな恐怖を創造するクリエイターであるかは明白だろう。単なるゾンビ映画ではない、極限状態に置かれた人間の脆さや狂気をドキュメンタリーのように生々しく切り取った傑作。それが『28日後…』の本質だ。
だからこそ、彼ら二人の帰還は決定的に重要なのである。これは安易な続編や、名前だけを借りたリメイクではない。あの伝説を創り上げた張本人たちが、「今、語るべき物語がある」と判断したということ。作品の”魂”が、20年以上の時を経て、再びスクリーンに宿るのだ。彼らが揃わなければ、この続編は決してありえなかったに違いない。
【最重要】キリアン・マーフィーは”主役”か?ジムの役割を徹底考察
さて、本題に入ろう。ファンの最大の関心事であり、本作最大のミステリー。それは、アカデミー賞俳優となったキリアン・マーフィー演じる、あの伝説のサバイバー「ジム」の帰還だ。彼は主役として物語を牽引するのか? それとも…。
予告編が公開された際、あるガリガリに痩せこけた感染者の姿が「あれはジムではないか?」と世界中のファンを騒がせた。しかし、その正体はアンガス・ニールという別の人物であることが判明している(IGN Japanより)。
では、ジムはどこにいる? ここで、我々は衝撃的な事実に直面せざるを得ない。
情報筋によると、キリアン・マーフィーは本作『28年後…』において、俳優としてはクレジットされていないのだ。 彼の名は「製作総指揮」としてクレジットに記されているが、キャストリストにはない。そして、彼がジムとして再び我々の前に姿を現すのは、2026年公開予定の続編、新三部作の2作目にあたる『28 Years Later: The Bone Temple』だと報じられている。
「なんだ、今回は出ないのか…」
そう落胆するのは早計だ。むしろ、ここからが本当の考察の始まりなのである。なぜ、製作陣はジムの復活を”焦らす”のか? この「不在」こそが、本作を理解する上で最も重要な”仕掛け”だと断言しよう。
根拠①:製作陣が示唆する「驚きのある、重要な」役どころ
キリアン・マーフィーが俳優として出演しない代わりに、製作総指揮として深く作品に関わっているという事実。これは、彼が単なる客寄せパンダではないことの証だ。彼が演じるジムというキャラクターは、製作陣にとっても、そして彼自身にとってもあまりに巨大で、神聖な存在なのだ。
だからこそ、彼の復帰は、物語全体を貫く「驚きのある、重要な」形でなければならなかった。本作における彼の”不在”は、来るべき続編での彼の”帰還”を、映画史上最も衝撃的でエモーショナルなものにするための、壮大な助走なのである。
根拠②:「次世代への橋渡し」説は本当か?
本作でジムが登場しないことで、観客の視線は必然的にアーロン・テイラー=ジョンソンらが演じる新世代のキャラクターたちに注がれることになる。これは、極めて巧みな物語の導入だ。
我々はまず、新たな主人公たちの視点を通して、荒廃した28年後の世界を体験する。彼らの戦いや葛藤に感情移入し、この世界のルールを叩き込まれるのだ。そして、我々が新世代の物語に没入したその先に、満を持して伝説の男、ジムが登場する。
つまり、本作におけるジムの不在は、まさに「次世代への橋渡し」そのもの。新たなサーガの土台を完璧に築き上げ、来るべき続編で新旧の物語を劇的に交差させるための、計算され尽くした脚本術だと考えるべきだろう。彼の不在こそが、物語の最大の駆動力となっているのだ。
物語は壮大な「新三部作」へ!『28日後…』から繋がる世界と新たな脅威
ジムの不在が、来るべき復活への壮大な序曲であるという考察。それを裏付けるのが、すでに公式に発表されている「新三部作」という壮大な構想だ。
そう、本作『28年後…』は、単体で完結する物語ではない。これが新たなる三部作の第1作目なのだ。そして、すでに2作目のタイトルが『28 Years Later: The Bone Temple』であること、その監督に『キャンディマン』のニア・ダコスタという才気が起用されることも決定している。この事実が意味するのは、本作で描かれる出来事が、より巨大で、より複雑なサーガへの入り口に過ぎないということだ。我々は今、伝説の終わりではなく、新たなる神話の始まりを目撃しようとしているのである。
『28週後…』の物語は引き継がれるのか?
ここでファンの誰もが抱く疑問が、シリーズ2作目『28週後…』の存在だろう。ボイルとガーランドが直接関わらなかったこの作品を、彼らは正史として扱うのか、それとも無視するのか。
現状、その答えは明確にされていない。だが、それすらも彼らの掌の上だとしたら? 感染がヨーロッパ大陸にまで拡大した『28週後…』の絶望的なエンディング。あの出来事を引き継ぐのか、あるいはリセットし、全く新しい時間軸を創造するのか。その答えが明かされる瞬間もまた、本作を劇場で観るべき理由の一つと言えるだろう。
28年で変異した?「レイジウイルス」の謎
そして、この新三部作の根源的な問い。それは、脚本のアレックス・ガーランド自身が語っている。IGNのインタビューで、彼はこう明かした。
当初は、28年後とはどんな意味を持つのか想像することをメインに話し合っていました。英国にまだ感染症があるのなら、それはどんなものなのでしょう?
出典:『28年後…』は、数十年にわたり凶暴化ウィルスと生きることが英国や感染者に何をもたらすのかを描く 2025年6月19日
この言葉こそ、本作の核心だ。「28年」という歳月は、人間だけでなく、元凶たる「レイジウイルス」にも何らかの変化をもたらしたのではないか? 凶暴性が増したのか、あるいは沈静化したのか。もしかすると、全く別の形―より狡猾で、より根絶の難しい存在へと進化を遂げている可能性すらある。28年間、ウイルスと共存…いや、対峙し続けた英国社会の歪みとあわせ、この根源的な謎が、新三部作を貫く最大のテーマとなるに違いない。
新旧キャストの豪華饗宴!アーロン・テイラー=ジョンソンらが物語をどう動かす?
ジムの不在という大胆な選択を支えるのが、アーロン・テイラー=ジョンソン、ジョディ・カマー、レイフ・ファインズ、そして新人のアルフィー・ウィリアムズといった、息を呑むほど豪華な新キャスト陣だ。彼らは単なる「ジムの代役」ではない。この新たなる物語の”主役”として、我々を28年後の世界へと導く案内人だ。
特に、新たな主人公を演じるとされるアーロン・テイラー=ジョンソンは、ダニー・ボイル監督との仕事について、こう語っている。
there was this sort of this freedom of space to um make mistakes but be creative
出典:28 Years Later Interview: Aaron Taylor-Johnson, Jodie Comer & Alfie Williams – YouTube 2025年6月19日閲覧
[間違いを犯しても創造性を発揮できるような自由がありました]
監督ですら答えを知らない、予測不可能な現場。その「自由な空間」から、一体どれほどの生々しい演技が引き出されたというのか。計算され尽くした脚本と、即興的で爆発力のある演技の融合。この化学反応こそが、本作に凄まじい緊迫感とリアリティを与えていることは想像に難くない。彼ら新世代のキャストが、この過酷な世界でどう生き、何を希望とするのか。その姿から目が離せない。
結論:我々が『28年後…』を劇場で目撃すべき3つの理由
ここまで考察してきた内容を総括しよう。なぜ、我々は『28年後…』を、配信やレンタルではなく、今、劇場という最高の環境で目撃すべきなのか。その理由は、3つに集約される。
① 伝説のオリジン(監督・脚本)の集結を目撃するチャンス
二度とないかもしれない、映画史を変えたコンビの復活。彼らが創造する「本物」の空気、その一瞬一瞬を全身で体感する。これはもはや映画鑑賞ではなく、”事件”への立ち会いだ。
② 映画史に残るキャラクターの”不在”が語る物語を考察する機会
なぜジムは現れないのか。その不在が意味するものとは何か。本作は、答えを提示するのではなく、我々に壮大な問いを投げかける。この深遠なミステリーを、世界中のファンと同時に考察する興奮は何物にも代えがたい。
③ 新たなサーガの始まりに、リアルタイムで立ち会う興奮
すべての物語には、始まりの一歩がある。『スター・ウォーズ』の1作目、『ロード・オブ・ザ・リング』の1作目のように、本作は新たなる伝説の幕開けとなる。この歴史的な瞬間の証人になれるチャンスを、逃す手はないだろう。
『28年後…』は、あなたの予想を裏切り、期待を遥かに超えてくる。さあ、劇場で、この”事件”の全貌をその目に焼き付けてほしい。
『28年後…』は2025年6月20日日米同時公開。
『28年後…』に関するFAQ
Q1. キリアン・マーフィーは『28年後…』に出演しますか?
A1. いいえ。本作では製作総指揮に専念しており、俳優としてはクレジットされておらず、サプライズでの登場などの可能性のみです。彼が演じる「ジム」は、続編『28 Years Later: The Bone Temple』で復帰する予定です。
Q2. この映画は『28週後…』の続きですか?
A2. 現時点では不明です。『28日後…』の監督・脚本家チームが直接手掛ける本作が、『28週後…』の物語をどう扱うかは、見どころの一つです。
Q3. 『28年後…』は三部作ですか?
A3. はい。本作は新たなる三部作の第1作目と公式に発表されています。