『マスターズ・オブ・ユニバース』を熱くする音楽の秘密!クイーンとの深い親和性とブライアン・メイ参加の裏話

光り輝くパワーソードを両手で高く掲げ、天を仰ぐ主人公アダム(ヒーマン)
クイーンのエッセンスを取り入れた熱いロック音楽が、ヒーマンの覚醒シーンを最高に盛り上げる。
Image: Masters of the Universe | First Look – Featurette / YouTube 2026年6月1日閲覧

なぜ映画『マスターズ・オブ・ユニバース』の音楽はこれほどまでに観客の心を揺さぶるのか。そこには、伝説のロックバンド「クイーン」との深い親和性と、制作陣の並々ならぬこだわりが隠されている。

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『フラッシュ・ゴードン』が試金石。監督が求めた「演劇的で感情的な」サウンド

カラフルで壮大なエターニアの風景と空を飛ぶ奇抜な宇宙船
奇抜で色彩豊かなエターニアの世界観には、大仰でありながら感情的なクイーンのサウンドが完璧にマッチしている。
Image: Masters of the Universe | First Look – Featurette / YouTube 2026年6月1日閲覧

トラヴィス・ナイト監督と作曲家が目指した「クイーンのような音楽」

本作の世界観は一見するとバカバカしくも劇的だが、その音楽がこれほどまでに熱く観客の胸を打つ理由には、監督が最初から「クイーンのエッセンス」を作品の核に据えていたことが関係している。

エンタメ情報メディア「The HoloFiles」のインタビュー記事によると、トラヴィス・ナイト監督は本作の音楽的なアプローチの試金石(インスピレーション)として、クイーンが手がけた80年代の映画『フラッシュ・ゴードン』のサウンドトラックを挙げている。監督はクイーンの音楽について、非常にファンタジックで演劇的かつオペラ的でありながら、感情的に複雑で大きな心を持っていると高く評価した。そして、作曲を担当したダニエル・ペンバートンと、あのフィーリングを本作でも出せれば成功だと話し合っていたと同メディアに対し明かしている。

また、音楽情報サイト「Louder」によれば、ファンの間ではテスト試写の段階で、クイーンが映画『ハイランダー 悪魔の戦士』(1986)に提供したテーマ曲「プリンシス・オブ・ザ・ユニヴァース(Princes of the Universe)」が実際に流れたという噂も存在している。

一見するとメチャクチャなエターニアの世界観と、クイーンの持つ大仰でありながら感情的で奥深いロック音楽との親和性は非常に高い。この見事な組み合わせこそが、映画全体の熱いトーンを決定づける重要な要素となっている。

奇跡のコラボレーション!ブライアン・メイ本人がギターで参加

激しいバトルを繰り広げるトラップ・ジョーやビーストマンなど個性豊かなヴィランたち
ブライアン・メイも息子のおもちゃを持参してレコーディングに参加。参加者全員の「おもちゃへの愛」が作品に魂を吹き込んでいる。
Image: Masters of the Universe | Forces of Evil – Featurette / YouTube 2026年6月1日閲覧

深夜のスタジオに持ち込まれた「おもちゃ箱」:熱すぎるレコーディング裏話

トラヴィス・ナイト監督の熱意が実り、劇中曲「Eternia」など複数のサウンドトラックには、クイーンのギタリストであるブライアン・メイ本人が参加している。しかも、自身の代名詞とも言える手作りのギター「レッド・スペシャル」を弾いて録音に臨んでいるのだ。

前出「The HoloFiles」のインタビュー記事によると、監督は当初のレコーディングについて、1〜2時間程度で終わるかと思っていたが、実際にはブライアンは深夜まで一日中スタジオに付き合ってくれたという。同メディアに対し監督は、深夜にスタジオから突然姿を消したブライアンが、約10分後に巨大な2つの箱を抱えて戻ってきたという驚きのエピソードを明かしている。その箱の中身は、息子のジミーが80年代にかつて遊んでいた『マスターズ・オブ・ユニバース』のヴィンテージおもちゃであり、ブライアンはすべてのキャラクターの名前を完璧に把握していたそうだ。

また、上述「Louder」によれば、ブライアン・メイは自身のSNSでもヒーマンのお決まりのセリフである「I have the POWER!!!!」と発信し、「この映画はたくさんの人を大いに笑顔にするだろう」と喜びを語っている。

単なる有名アーティストの起用ではなく、伝説のロックスター自身も、息子を通じてこの作品の世界観を愛していたという裏話は胸を熱くさせる。劇中で鳴り響くギターソロがいかに魂の込められたものであるか、制作陣とミュージシャンが「おもちゃへの愛」とノスタルジーで深く繋がっていた事実から伝わってくる。

クイーンのDNAを受け継ぐアンセムが世界を包む

映画のプレミア・レッドカーペットでインタビューに笑顔で答えるロックバンド「ザ・ダークネス」のメンバー
クイーンのDNAを受け継ぐロックバンド、ザ・ダークネス。彼らも本作の「本来のバカバカしさ」を全力で愛している。
Image: “Between He-Man and Iron Maiden, It’s a Good Year for The Darkness” Masters of the Universe Premiere / YouTube 2026年6月1日閲覧

ザ・ダークネスが奏でる大仰で愛に溢れたテーマソング

本作の音楽を熱くしているのは、ブライアン・メイ本人の参加だけではない。イギリスのロックバンドであるザ・ダークネスが、クイーンに強くインスパイアされた大仰なテーマソング「Masters of the Universe」を提供している。

このテーマソングの抜擢について、ザ・ダークネスは自身の公式X(旧Twitter)上でユーモアたっぷりに喜びを表現している(Ultimate Classic Rock経由)。同アカウントでの発言によると、ヒーマン本人から伝記映画のための音楽提供を依頼された際、彼らはおなじみの腰布のほこりを払い、自分たちの「キャッスル・ダークネス」の中庭に集まって、一斉に「力は我にあり!(WE HAVE THE POWER)」と吠えたのだという。

クイーンのDNAを色濃く受け継ぎ、本作の「本来のバカバカしさ」を全力で愛するロックバンドがテーマソングを担当していることからも、音楽への強いこだわりがうかがえる。映像から音楽に至るまで、制作陣と参加アーティスト全員の「なんでもあり感」と作品への深いリスペクトが貫かれている。

まとめ:愛とリスペクトに満ちた、熱すぎる音楽の余韻

映画『マスターズ・オブ・ユニバース』の音楽がこれほどまでに観客の心を揺さぶるのは、決して偶然ではない。監督が初期段階から作品の核として定めていた「演劇的で感情的なロック」という明確なビジョンと、それに共鳴した伝説のミュージシャンたちの情熱が見事に合わさった結果である。

深夜のスタジオに息子のおもちゃを持ち込んだブライアン・メイや、腰布姿で吠えたと語るザ・ダークネスのエピソードからもわかるように、すべての参加者がおもちゃから生まれたこの特異な世界観を全力で愛し、楽しんでいる。