Image: The Devil Wears Prada 2 | Official Trailer / YouTube 2026年6月12日閲覧 20年の時を経て再び「ランウェイ」を支えるナイジェル(スタンリー・トゥッチ)の姿(公式予告編より/ⓒ2026 20th Century Studios. All Rights Reserved)
映画『プラダを着た悪魔2』は、前作から20年の時を経て再びスクリーンに登場した人気キャラクターたちの新たな生き様を描き出している。中でも、観客から高い関心を集めているのが、ファッション誌「ランウェイ」を陰で支え続けるアートディレクター、ナイジェルの存在。本記事では、ナイジェル役を務めるキャストの続投や日本語吹替版の最新情報を整理するとともに、彼が本作で見せるプロフェッショナルとしての流儀を解説していく。
ナイジェル役はスタンリー・トゥッチが続投。日本語吹替版の担当声優とあわせて解説
20年ぶりに同役を演じるスタンリー・トゥッチの喜びと、スクリーンでの変わらぬ存在感
本作では、アンディ(アン・ハサウェイ)、ミランダ(メリル・ストリープ)、エミリー(エミリー・ブラント)とともに、ナイジェル役のスタンリー・トゥッチも引き続き登場している。中核を担うこれら4人のメインキャストが欠けることなく集結したことは、物語のファンにとって確かな安心材料となっている。
ナイジェルを演じたトゥッチは、Fandangoのインタビューによると、まさかこの4人で再び集まって素晴らしい作品を再訪できる日が来るとは思っていなかったと語り、長年の時を経て同じ役を演じられることへの喜びをにじませている。また、ABC Newsのインタビューに対し、撮影初日こそ以前と同じようにキャラクターを演じられるか緊張したものの、いざ衣装に袖を通した瞬間に自然と役の感覚を取り戻すことができたと明かしている。アンディ、ミランダ、エミリーたちとは少し違い、一歩引いて全体を見渡すあの欠かせないキャラクターが、本作でも変わらぬ存在感をもってスクリーンに息づいている。
ナイジェルの新たな日本語吹替は仲野裕が担当。前作のイメージを受け継ぐ実力派声優の演技
日本語吹替版において、ナイジェルの声は新たに仲野裕が担当している(プラダを着た悪魔2|20世紀スタジオ公式 より)。彼はアニメ「攻殻機動隊」シリーズのイシカワ役などで広く知られるベテランの実力派声優だ。
前作のナイジェルが持っていたシニカルな一面や独特のキャラクター性を大切にしつつ、新たな実力派声優の演技によってそれがどう表現されているのかは、吹替版ならではの見どころ。20世紀スタジオ公式の発表によると、豪華声優陣が大集結したことで、前作以上に彩りを増した登場人物たちの活躍が期待できるとされている。さらに映画.comの記事でも、別々の道で成長を重ねたキャラクターたちの夢や野望がぶつかり合うドラマにおいて、新たな声優陣の演技が物語の魅力を一層引き立てていると解説されている。
前作で夢を絶たれたナイジェルは今作で報われるのか。因果応報の結末と「指輪」の謎の真相
アンディ復帰の陰の立役者であり、ミラノでミランダからスポットライトを譲られる尊厳ある結末
前作において、自らの地位を守るためにミランダから昇進の機会を奪われたアートディレクターのナイジェルだが、彼は本作でも「ランウェイ」を裏で支え続けている。実は、ジャーナリストとしての実績を積んだアンディが再び雑誌の特集エディターとして雇われるよう、会長の息子であるジェイへ絶妙なタイミングでテキストメッセージを送り、水面下で手を回していたのはナイジェルであった。彼は20年が経っても、密かにアンディの味方であり続けていた。
そして物語の終盤、ミラノ・ファッションウィークという大舞台で、ミランダはナイジェルにスポットライトを譲り、彼に基調講演を任せるという劇的な展開が訪れる。この感動的なシーンについて、ナイジェルを演じたスタンリー・トゥッチはUSA TODAYのインタビューで、ミランダに一種の悟り(エピファニー)が開かれ、心を開いて彼に歩み寄ってくれた美しい瞬間だと語っている。同メディアに対しトゥッチは、裏方に徹しながらも常に尊厳を保ち続けてきた彼の長年の忠誠心がようやく報われ、キャラクターとして確かな救済を得られたことを感慨深く分析している。

結婚の伏線ではなく小道具の裏話!前作の「大きな指輪」が紛失し、写真から完全再現されていた真相
Image: The Devil Wears Prada 2 | Official Trailer / YouTube 2026年6月12日閲覧 ナイジェルの指にはめられた「大きな指輪」(公式予告編より/ⓒ2026 20th Century Studios. All Rights Reserved)
ネット上で盛んに検索されているナイジェルの「指輪」というキーワードは、仕事一筋だった彼がついに結婚してプライベートな幸せを手に入れた伏線ではないか、と映画ファンが深読みしたことから生まれたものだ。しかし、この指輪に隠された真相は、物語の展開とはまったく関係のない撮影小道具の裏話だ。
スタンリー・トゥッチがBBC Radio 1に出演した際の発言によると、実は前作でナイジェルが身につけていた象徴的な大きな指輪は、保管庫から紛失してしまっていたという。本作の衣装デザイナーを務めたモリー・ロジャースもSheerLuxeのインタビューでこの件に触れており、おそらくどこかの衣装レンタル店に紛れ込んでいるはずだと当時の状況を明かしている。実物がどうしても見つからなかったため、小道具チームは当時の写真だけを頼りに、今作のために急遽レプリカを作成して撮影に臨んだというのが、指輪にまつわる驚きの事実だ。
ナイジェルの洗練されたスタイルと、困難な時代を生き抜くための揺るぎない美学
リチャード・ジェームスのカスタムスーツに身を包む、衣装デザイナーが仕掛けた「ダッパー(粋)」な大人の魅力
Image: The Devil Wears Prada 2 | Official Trailer / YouTube 2026年6月12日閲覧 エミリーが働くディオールのオフィスで着用しているスリーピースのスーツ(公式予告編より/ⓒ2026 20th Century Studios. All Rights Reserved)
ナイジェルは本作でも、洗練された大人の着こなしで観る者を魅了する。中でも、エミリーが働くディオールのオフィスに乗り込むシーンで着用しているスリーピースのスーツは非常に印象的だ。
本作の衣装デザイナーを務めたモリー・ロジャースは、SheerLuxeのインタビューにおいて、自身の「秘密兵器」としてサヴィル・ロウのテーラーであるリチャード・ジェームス(Richard James)を起用したと明かしている。ナイジェルの体にフィットするよう精巧に仕立てられたカスタムメイドのスリーピーススーツは、彼のシャープで粋な魅力を最大限に引き出している。
また同インタビューでは、ホテルでアンディと出くわすシーンで着ていたダブルブレストのニットカーディガン(ブレザー)についても語られている。これはロジャースがイタリアのヴァレンティノで見つけたもので、パール(あるいはシルバー)調のボタンがあしらわれた少し個性の強いアイテムだったが、トゥッチ自身が気に入り見事に着こなしたという。こうしたクラシックでありながらも遊び心を忘れないダッパー(粋)なスタイリングのディテールは、大人の男性のワードローブとして大いにインスピレーションを与えてくれる。
個人の承認欲求を超え、ファッションという「レガシー」に尽くす気高きナンバーツーの生き様
ナイジェルの魅力は、その完璧なファッションセンスだけではない。理不尽な競争社会の中で彼が貫くプロフェッショナルとしての生き様もまた、多くの観客の心を打つ。
ナイジェルを演じたスタンリー・トゥッチはFandangoのインタビューで、彼のキャラクター性を、個人的な感情に流されることなく、ファッションの芸術性や職人技という「レガシー(伝統)」を存続させることに深く献身している人物だと分析している。自分よりもはるかに大きなものに身を捧げているからこそ、彼はあれほどまでに気高く尊厳があるのだと同メディアに対し語っている。
さらにUSA TODAYのインタビュー記事によると、トゥッチはナイジェルを「水面下で生きながらも、非常に尊厳を保ち続けている人物」とも表現している。
激動のメディア業界において、かつて自身の昇進をふいにするような非情な決断を下した上司の下で働き続けることは容易ではない。しかし、彼は決して腐ることなく、裏方であるナンバーツーとして自らの情熱と美学を静かに貫き通した。変化の激しい困難な時代を生き抜くために本当に必要なのは、他者からの承認欲求に振り回されない「揺るぎない信念」であることを、ナイジェルの生き様は我々のキャリア観に深く問いかけてくる。







