映画『我々は宇宙人』坂東龍汰×岡山天音の役作りとアフレコ裏話!「配役逆」の真相と子役の走り録音

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映画『我々は宇宙人』で対照的なふたりの少年を描いたシーン
写実的な作画と繊細な声の演技で描かれる『我々は宇宙人』の作品世界(©NOTHING NEW, MIYU PRODUCTIONS)
Image: 長編アニメーション映画『我々は宇宙人』本予告 / YouTube 2026年9月28日閲覧

アニメーション映画『我々は宇宙人』は、平成の田舎町で暮らす内気な青年・翼とクラスの人気者・暁太郎の約30年にわたる友情を描いた物語。実力派俳優の坂東龍汰と岡山天音がW主演を務め、徹底した声の引き算とリアリティの追及によってキャラクターに生々しい息吹を吹き込んでいる。キャスト陣の緻密な役作りと作画・音響の相互作用が生み出した表現の舞台裏に迫る。

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W主演が体現したアニメ的誇張を排す「引き算」のナチュラル芝居と子役のリアル音声

坂東龍汰と岡山天音が求められた「日常のそこらへんにいる人」としての声のリアルさ

画面に描かれた写実的な人物造形に合わせるため、現実の日常に存在する普通の人としての空気感が重視された。企画・脚本・監督を務めた門脇康平は、YouTubeチャンネル『ciatr シアター / ワンスクリーン』の取材に対し、アニメ特有の作り込まれた声や過度なイントネーションを削ぎ落とした演技をキャストに求めたと明かしている。翼の青年期を演じた坂東龍汰は、GQ JAPANのインタビューやぴあ映画が報じたところによると、大声や格好良い声を抑える「引き算」を意識し、内気でモサッとした青年の繊細なトーンを模索したと語る。

一方、暁太郎の青年期を担当した岡山天音は、GQ JAPAN同インタビューにおいて、自身とキャラクターの体格差を意識しながら声を落とし込んだと振り返っている。小柄な設定である暁太郎が物理的に強い存在に見えないよう、一言ごとに声のニュアンスを繊細に調整した。意図的に過度な芝居を乗せない演出によって、極めてナチュラルな声の着地が実現している。

オーディションで選ばれた子役が毛布の上を実際に走りながら収録したリアルな「音」

幼少期の翼役に槙木悠人、暁太郎役に中込佑玖が起用され、オーディションを経て抜擢された。大人が作る子供の声ではなく、本物の子供だけが持つ不規則な呼吸感や声の揺れをすくい取る演出方針が採られている。THR Japanのインタビューにおいて門脇監督は、足音が入らないようスタジオの床に毛布を敷き詰め、実際に走りながらアフレコを収録したと説明している。

作品制作においては音響監督をあえて置かず、門脇監督自らが子供の真横で身振り手振りを交えて直接演技指導を行った。公式サイト制作ノートによれば、完成していない映像を補うため、現場では制作スタッフの手を使ったダンスなどで自然な感情を引き出す工夫が重ねられたという。膨大なテイクの精査を経て、キャラクターの生々しい声が紡ぎ出された。本物の身体性が音に説得力を与える。

対照的な「アキネーター型」と「思考型」のアプローチと芝居優先の作画フィードバック

直感的に探る坂東龍汰と綿密に対話する岡山天音の対照的な役作り

W主演を務めたふたりは、役にアプローチするプロセスにおいて真逆のスタイルを見せた。門脇監督はMOVIE WALKER PRESSの取材で、坂東龍汰は最初に声を出してからフィードバックを受け、正解のトーンを絞り込む直感的なアプローチを取っていたと語っている。このプロセスは質問ゲーム「アキネーター」に例えられた。さらに双葉社 THE CHANGEで坂東は、休日にスパイク状の「シャクティマット」を使って身体をほぐし、アイデアを巡らせていたと明かしている。

一方の岡山天音については、MOVIE WALKER PRESSの同取材で、物語の背景や演出意図について監督と事前の対話を徹底的に重ねる手法だったという。公式サイト制作ノートの中で岡山は、絶望の極地にあるキャラクターの声を探し求め、針の穴に糸を通すように繊細に発声したと述懐している。なお、ふたりの本来の性格は劇中の役柄と正反対であり、坂東自身はGQ JAPANのインタビューで、自分自身は暁太郎の性格に近いと分析していた。対照的な熱量が互いを刺激し合う。

『我々は宇宙人』ラスト結末をネタバレ考察!「じゃーねー!」の意味と2つの視点が明かす衝撃の真実
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キャストのプレビズ観察と芝居のニュアンスを後から反映した作画修正

作画のリアリティを高めるため、事前にキャストや子役を撮影するプレビズ撮影が20回以上重ねられた。公式サイト制作ノートによると、人間の手癖や子供特有の無駄な動作を観察し、そのエッセンスを作画へ反映する工程が徹底されたという。実写のリアルな軸とアニメーション特有の心地よさを掛け合わせた作画方式が構築された。

本番のアフレコ現場ではキャストのお芝居が最優先され、収録された声に合わせて後から作画を修正する手法が採用された。otocotoのインタビューに対し坂東龍汰は、自分たちの感情の揺れや発声に合わせて作画が微調整され、声と口の動きが完璧にリンクしたと語っている。主演ふたりは事前に子役の収録音源を確認してアフレコに臨んでおり、幼少期からの確かなバトンタッチが成立した。

声で紡いだ絆の先にある「次回作・共演の未来」

第79回カンヌ国際映画祭の監督週間において、約820席の劇場を満席にして本作のワールドプレミア上映が実施された。上映終了後には7分間に及ぶスタンディングオベーションが湧き起こり、言葉や文化の違いを超えてキャストの声の芝居が観客へダイレクトに届いた。THR Japanのレポートでは、客席で目を潤ませながら拍手を贈る現地観客の姿が伝えられている。声と言葉の普遍性が証明された。

対話を重ねて作中に魂を注ぎ込んだ坂東龍汰と岡山天音は、UOMOのインタビューで、将来的な再共演への強い意欲を示している。対話の中では、弁護士と被告人として対峙するドラマなど、具体的な役柄の構想が語り合われた。今作で築かれた深い信頼関係と役者としての共鳴は、今後の日本映画界において新たな物語を生み出す原動力となる。