Image: 映画『星の教室』【本予告】11.6(金)全国公開 / YouTube 2026年11月5日閲覧 言葉の少ないさやか役を演じるにあたり、「人が発する言葉をどう考えているか」を模索し続けた桜田ひより。(© 2026映画「星の教室」製作委員会)
中学時代のいじめが原因で学校へ通えず、義務教育を十分受けられないまま大人になった主人公・潤間さやかが、夜間中学で再起を目指す映画『星の教室』。主演を務めた桜田ひよりは「不登校の過去に苦しむさやかを外の世界へ連れ出して救いたい」という強い覚悟を胸に役に没入した。撮影現場での徹底した孤立から、ベテラン俳優陣との生々しい感情戦を経て、スクリーンに本物の感情を焼き付けるまでの役作り舞台裏に迫る。
「輪に入りたい」をグッと我慢! カメラ外でも孤独を貫いた執念の役作り
主人公の潤間さやかは、中学時代のいじめで不登校となり、十分な義務教育を受けられないまま成人を迎えた女性。セリフが少ない難役だからこそ、桜田は「さやかは人の言葉をどう考えているのか」を常に頭に置き、台本を繰り返し読んで心情の分析を重ねた。オファーを受けた際、「このさやかという存在を外の世界に連れ出して救ってあげたい」という強い思いが芽生えたと、桜田はmamagirlの取材に対して語っている。
現場では、年齢や国籍を問わず集まった共演者たちが楽しそうに歓談する輪が広がっていた。個人的にはその輪に混ざりたい気持ちがあったものの、さやかとしての一歩引いた距離感を保つため、深く入り込まずに少し離れた場所から共演者の表情を観察する姿勢を貫いた。カメラが回っていない時間すら、自分の感情をコントロールして「さやかの孤独」をリアルに生き抜いた。
朝から夜まで1日中ぶつかり合った! 親子役・仙道敦子が思わずカメラ外で抱きしめた瞬間
撮影現場で繰り広げられたのは、台本上の立ち回りを超えた迫真の感情戦だった。母親役の仙道敦子との親子シーンは、朝から夜まで丸1日をかけて撮影が行われ、単なる親子という枠を超えて「人対人」として真っ向からぶつかり合う濃密な時間となった。
さやかが本音を吐露する場面において、真っすぐな目の中に「強さと怖さ」を滲ませた桜田の演技に対し、受け止める仙道も心がヒリヒリするほどの圧力を受けた。撮影が終わった直後、仙道は感動のあまり思わず桜田を力強く抱きしめたと、完成披露舞台挨拶の場で明かしている。また、夜間中学の担任教師・江口役を演じた真木よう子は、さやかが過去の痛みを初めて明かすシーンで、「自然と隣に行ってあげたくなってしまった」と本番でアドリブで桜田の隣に寄り添った。桜田はMOVIE WALKER PRESSのインタビューで、真木の柔らかい空気感と優しさに包み込まれたと振り返っている。
89歳・山本學からの「自分を貫きなさい」の教えと、初号試写で一人泣き崩れた理由
共演した89歳のベテラン俳優・山本學との出会いも、桜田にとって大きな糧となった。ベンチで二人きりで語り合う場面では山本の力強い演技に胸を打たれ、全撮影の終了後や初号試写の後に「自分の持っている感性や考えを曲げずに、自分を信じて自分を貫きなさい」という直接の言葉をかけられたと、桜田はエンタのおはなしの取材で明かしている。
完成した映画の初号試写では、終映後に観客や関係者から大きな拍手が湧き起こった。しかし、主演の桜田ひよりだけは「まだ役が身体から抜けていない」状態で、試写室で一人涙を流し続けていたと角川春樹総監督は語っている。作品の中で役と不可分となり、演技を超えた本物の感情をフィルムに刻みつけた姿がそこにあった。








