本作の成功の鍵を握るベアとニッキーの関係性は、キャスティングの最終段階で行われたオーディション、いわゆる「ケミストリー・リード」の時点で既に確立されていた。The Hollywood Reporterのインタビューによると、マイケル・ジョンストンはニッキー役の候補者数名と台本の読み合わせを行うことになり、最後に部屋に入ってきたのがインディ・ナバレッテだった。ジョンストンは当時の様子を「空気に電気が走っていた」と表現し、同席した全員が彼女こそが適役であると即座に確信したと語っている。
映画『オブセッション 災愛』におけるニッキーの不気味な笑顔やしかめっ面は、単に「悪霊に憑依された」という設定から生まれたものではない。The Movie Buddyが公開しているQ&Aによると、ナバレッテはこの役を演じるにあたり、キャラクターを人間味のある存在にするため、映画『Pearl パール』におけるミア・ゴスのパフォーマンスからインスピレーションを得たと語っている。カリー・バーカー監督も、Colliderのインタビューで同作をリファレンスとして一緒に鑑賞したことを明かしている。監督はニッキーをただ怒り狂う悪霊憑きのキャラクターにするのではなく、嫉妬深い恋人のように見せたかったと同メディアに語り、異常で有害な関係性や執着心そのものを表現することにこだわった。
劇中で観客に最も強い恐怖を与え、SNS等でGIF画像として拡散されたのが「不気味な後ずさり(Freaky Nikki’s Backwards Walk)」と呼ばれるシーン。このシーンをはじめとする身体表現は、低予算のインディーズ映画ならではの工夫と、アナログで実践的な手法によって生み出された。The Hollywood Reporterのインタビューでバーカー監督が明かしたところによると、部屋を横切る奇妙な動きのシーンでは、アヤナというプロのダンサーを起用し、不気味な身体表現を実現している。また、インディ・ナバレッテが後ずさりするシーンは、前出のThe Movie BuddyのQ&Aによると、ナバレッテ自身が撮影時に速度を速めたり遅くしたりする手法が用いられた。