Image: The Devil Wears Prada 2 | Official Trailer / YouTube 2026年6月13日閲覧 打算を捨てた自立した調査ジャーナリストとして成長したアンディ(公式予告編より/ⓒ2026 20th Century Studios. All Rights Reserved)
前作『プラダを着た悪魔』で主人公アンディのキャリアや恋愛を大きく揺さぶった、魅力的なライターのクリスチャン・トンプソン。続編となる『プラダを着た悪魔2』が公開され、彼を演じたサイモン・ベイカーが今作にも登場するのか気になっている人は多い。本記事では、サイモン・ベイカー本人の発言からクリスチャンの現在地を読み解き、彼が不在であることの意味を解説していく。
続編にサイモン・ベイカーの出演はなし。本人が語ったクリスチャンの「現在地」
クリスチャン役は続投せず。サイモン・ベイカーが予想する「フロリダでの不動産営業」という意外な末路
本作において、クリスチャン・トンプソン役サイモン・ベイカーは出演していない。
クリスチャンを演じたサイモン・ベイカーは、Entertainment Tonightのインタビューによると、「現在のクリスチャンはどうしていると思うか」という質問に対し、フロリダで不動産を売っているかもしれないと冗談交じりに語っている。さらに同インタビューで彼は、現在のクリスチャンはすでにファッション業界から離れているだろうとも予想している。
前作でアンディを誘惑し、人脈を利用する打算的なビジネスのリアルを体現して彼女を翻弄したキーパーソンは、今作のスクリーンには姿を現さない。
アンディの過去の過ちはどう扱われたか。作中での言及と新たな人間関係
劇中での直接的な言及はなし。新たな恋人ピーターの登場により完全に「過去の存在」へ
Image: ‘The Devil Wears Prada 2’ love interest on sequel: ‘It felt surreal’ / YouTube 2026年6月13日閲覧 新恋人ピーターの存在は「アンディが過去の打算を捨てたことの証明」として非常に重要な役割を担う。(ABC News 本編クリップより/ⓒ2026 20th Century Studios. All Rights Reserved)
本作において、前作で描かれたクリスチャンとの一夜の過ちや彼との関係について、直接的な言及や回想シーンは一切用意されていない。
その代わりとして、本作にはアンディの新たな恋人ピーター(パトリック・ブラモール)が登場している。ピーターはオーストラリア人の建築業者であり、出版業界の権威とは全く無縁の人物である。ABC Newsの番組内で公開された本編クリップによると、アンディが「歴史ある建物が新しく改修されてしまうことに心を痛めている」と批判的に語ったのに対し、ピーターが「その改修をしたのは自分だ」と気まずそうに明かすという、二人の印象的な出会いのシーンが描かれている。
また、Colliderのレビュー記事では、アンディとピーターの恋愛模様は甘く魅力的であるものの、物語に大きな変化をもたらすものではないと独自の考察がなされている。しかし、この穏やかで業界の権力と関係のない新しい恋人の存在こそが、かつて出版業界の有力者を利用しようとしたアンディの打算的な関係がすでに清算されていることを証明している。クリスチャンとの出来事は、現在のアンディにとって完全に「過去のもの」として処理されている。

なお、前作のクリスチャン役のサイモン・ベイカーと新恋人ピーター役のパトリック・ブラモールは、偶然にも同じオーストラリア出身の俳優。しかし、これは制作陣が過去の恋愛との対比などを意図した演出ではない。ブラモールは出演したポッドキャスト番組「No Filter」のインタビューにおいて、当初ピーターはアメリカのブルックリン出身という設定だったと明かしている。同番組によると、監督のデヴィッド・フランケルや脚本家のアライン・ブロッシュ・マッケンナがブラモールの主演するオーストラリアのコメディドラマの大ファンであったため、キャスティングを熱望したという。ブラモール自身は役作りのためブルックリン訛りを準備していたが、制作陣からそのままのオーストラリア訛りで演じるよう指示を受け、自身の素のキャラクター性が求められていると気付いたと振り返っている。新旧の恋人役の出身地が重なったのは意図的なものではなく、制作陣がブラモール本人の魅力に惚れ込み、元の設定を彼に合わせて変更した結果だ。
クリスチャンの不在が証明する、アンディの精神的自立と大人のキャリア構築
甘い誘惑や打算からの脱却。「クリスチャンがいない世界」で確立されたジャーナリストとしての自信
アンディは前作のラストで、ミランダからの着信が鳴る携帯電話をパリの噴水に投げ捨て、自らの信念に従う道を選んだ。本作の彼女は、安易に大金を稼げるような仕事の誘惑を断ち切り、世界中を飛び回りながら真摯に記事を書き続け、数々の賞を受賞するほどの自立した調査ジャーナリストとして確かな実績を積んでいる。
LiveKellyandMarkの番組に出演したアン・ハサウェイは、この20年間のアンディの歩みについて、倫理観と誠実さに満ちた素晴らしい人生を送ってきたと自身のキャラクターを分析している。また、TODAYのインタビューによると、彼女は自分の下した選択が正しかったと深く理解しており、同世代が手に入れたような物質的な成功は得られなかったかもしれないが、自分らしく生きることを心から楽しんできたと語っている。
クリスチャン・トンプソンという存在は、甘い言葉で若者を誘惑し、人脈や権力を利用する打算的なビジネスの象徴であった。彼が本作のスクリーンに登場しないこと自体が、現在のアンディがもはや権力を持つ男性に頼る必要のない、精神的に自立したプロフェッショナルへと成長したことの何よりの証明だ。






