『トイ・ストーリー5』の敵は誰?ヴィランの正体と現代の恐怖。最新タブレット・リリーパッドとの対立の行方

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ジェシーとブルズアイの前に立ちはだかる最新タブレットのリリーパッド
ボニーの部屋にやってきた最新タブレットのリリーパッドとおもちゃたち(公式予告編より/©2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.)
Image: Toy Story 5 | Final Trailer | Get Tickets Now / YouTube 2026年6月27日閲覧

映画『トイ・ストーリー5』では、おもちゃたちがテクノロジーというかつてない脅威に直面する。本作でウッディやジェシーたちの前に立ちはだかるのは、これまでのシリーズに登場した敵とは全く異なる存在だ。新たなキャラクターである「リリーパッド」は、現代の子どもたちを取り巻く環境の変化や、おもちゃの存在意義を揺るがすリアルな恐怖を象徴している。本記事では、この最新タブレットの正体や能力、そして物理的な攻撃ではない現代ならではの脅威について紐解いていく。

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ボニーを想うがゆえの脅威?新キャラクター「リリーパッド」の正体と圧倒的能力

過去の悪役とは違う!経験不足からボニーを支配してしまう最新タブレット

本作でおもちゃたちの前に立ちはだかるのは、カエル型のキッズ用最新タブレット「リリーパッド」。過去のシリーズに登場したロッツォやギャビー・ギャビーといった悪意あるヴィランとは性質が異なる。Varietyのインタビューによると、監督のアンドリュー・スタントンは、彼女はおもちゃたちにとって脅威ではあるものの、ヴィランではないと明言している。彼女はおもちゃと同じように持ち主のボニーを前進させたいと願っているが、全く異なるスキルを持っており、経験が不足しているだけなのだと同メディアに対し語っている。つまり、彼女は悪意からではなく、良かれと思って行動した結果として、おもちゃたちを追い詰める存在となっている。

SNSで時間を奪う?物理攻撃ではない現代ならではの「スクリーン」の恐怖

リリーパッドは、おなかのスクリーンを使って瞬時に検索できるだけでなく、スペイン語を話し、ラップもこなすという最新デバイスならではの多彩な機能を持ち合わせている。さらに、子ども専用のSNS「The Pond」やグループチャット、オンラインゲームといった機能も備わっている。彼女はおもちゃを物理的に破壊するわけではない。しかし、これらの機能を通じてボニーの時間を完全に支配してしまう。ボニーが画面に夢中になることで、アナログなおもちゃたちは自分たちの居場所や存在意義を奪われるという、現代ならではの恐怖に直面することになる。

おもちゃvsテクノロジーの行方は「破壊」ではなく「共闘」

ジェシーと旧式ハイテクおもちゃ「テック・トリオ」の出会いが描く新旧の対比

旧式のハイテクおもちゃであるスマーティー・パンツ、スナッピー、アトラス
ジェシーが出会う旧式ハイテクおもちゃの「テック・トリオ」(本編映像より/©2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.)
Image: Toy Story 5 Movie Clip – What Did I Miss? (2026) / YouTube 2026年6月27日閲覧

ジェシーは持ち主のボニーを救うための冒険の途中で、「テック・トリオ」と呼ばれる3つの古いおもちゃたちと出会う。彼らは、おしゃべりなトイレトレーニング用のハイテクおもちゃであるスマーティー・パンツ、ピンク色のデジカメのおもちゃスナッピー、そしてGPS機能を搭載した青いカバのデジタルマップおもちゃアトラスである。

かつては子どもたちを楽しませていた彼らも、テクノロジーの急速な進化によって時代遅れとなり、タンスの中で忘れ去られた存在となっていた。アナログなおもちゃであるジェシーたちと、最新デバイスであるリリーパッドのちょうど中間に位置するこの「旧式ハイテクおもちゃ」たちが、ジェシーの道案内や手助けをしていく。この出会いにより、新旧の対比が描かれるとともに、アナログと古いテクノロジーが協力して目的を果たすという共闘の構図が生まれている。

リリーパッドの改心と、リアルな友達(ブレイズ)を作るための共同戦線

アナログのおもちゃと最新テクノロジーの対立は、タブレット端末を物理的に破壊したり、強制的にシャットダウンさせたりするといった単純な「排除」では終わらない。

リリーパッドが繋げたSNSのグループチャットを通じて、ボニーは心無いからかいの言葉を浴びせられ、深く傷ついてしまう。その姿を目の当たりにしたリリーパッドは、自らの行動がボニーを苦しめたことに激しい罪悪感を覚え、おもちゃの寄付トラックに乗って自ら身を引こうとする。しかし、ジェシーたちはリリーパッドを追いかけて救出し、互いに和解する。

最終的に、アナログなおもちゃたちとリリーパッドは「ボニーの幸せ」という共通の目的のために共同戦線を張り、ボニーともう一人の想像力豊かな少女・ブレイズを引き合わせるための作戦を実行し成功させる。テクノロジーを悪として切り捨てるのではなく、子どもがリアルな繋がりを築くために双方が協力し、共存していくというのが本作が導き出した答えだ。

リリーパッドは悪ではない!ピクサーが描く「親の善意」と避けられない環境変化

リリーパッドは両親からのプレゼント!現代の育児とデジタル化の必然性

内気で友達づくりに悩むボニーを心配した両親は、他の子どもたちとのコミュニケーションの助けになればと、最新タブレットの「リリーパッド」を買い与える。おもちゃたちを脅かす存在は、悪意ある者からではなく、我が子を思う両親の「よかれと思って」の純粋な善意から持ち込まれたもの。

MovieWebのインタビューによると、監督のアンドリュー・スタントンは、子どもたちの手にデバイスが渡る現象は一過性の流行ではなく、すでに避けられない日常の基準になっていると語っている。同インタビューでスタントン監督は、かつてテレビが普及した際に人々の心を腐らせると懸念された歴史を引き合いに出し、テクノロジーの普及もそれと同じような避けられない時代の変化であると指摘している。このように、リリーパッドは単なる悪役ではなく、デジタル化が不可避となった現代の育児環境や、環境変化そのものを象徴している。

テクノロジーを否定しないピクサーが肯定する「人間の繋がり」と「想像力」

本作は、テクノロジーを完全に排除すべき単純な「悪」として切り捨てているわけではない。The HoloFilesのインタビューによると、フォーキー役のトニー・ヘイルは、ピクサーはテクノロジーを叩いているわけではなく、それが現代社会に定着したものであると認めていると語っている。しかし同メディアに対し、それでも「人間のリアルな繋がり」に代わるものは決してないと作品の意図を説明している。

また、スクリーンを通じた繋がりだけでなく、「想像力を使った遊び」も極めて重要なテーマとして扱われている。Pay Or Waitのインタビューによると、制作陣はスクリーンに気を取られることで想像力が奪われてしまう側面について言及している。おもちゃで遊ぶ意義は、子ども自身が自らの頭で「余白を埋める」ことで、想像力の筋肉を鍛えられる点にあると同インタビューで語られている。

さらにVarietyのインタビューによると、プロデューサーのリンジー・コリンズも、テクノロジーに直面する現代において想像力を守り称えることが本作の重要な役割であると述べている。ピクサーはデジタルデバイスを否定するのではなく、リアルな友達との直接的な関わりや、想像力を使ったアナログな遊びがいかに子どもの成長に不可欠であるかという、強い社会的メッセージを観客に投げかけている。

デジタル時代でも揺るがない「時が流れても変わらない絆」とおもちゃの存在意義

物語の決着は、「アナログなおもちゃが最新テクノロジーを打ち負かす」という単純な展開には至らない。劇中で最新型のバズ・ライトイヤーが、子どもを幸せにすることこそが自分たちの使命であると語るように、最終的にはおもちゃとタブレットが「ボニーの幸せ」という全く同じ目標のために機能し、共存する姿が描かれる。

時代や環境がどれほどデジタル化しても、子どもたちの自由な想像力を育み、誰かを思いやり助け合うという、おもちゃの普遍的な役割が揺るぐことはない。ディズニー公式のワールドプレミアレポートによると、ウッディを演じたトム・ハンクスは、本シリーズが描いているのは時が流れても変わらない深い絆であり、困難が訪れても皆で力を合わせて手を差し伸べ合う関係性なのだと語っている。どのようなデバイスが登場しようとも、子どもとおもちゃの間に結ばれる絆の価値は不変であるという、シリーズの集大成にふさわしい深い納得感を与えて物語は幕を閉じる。